「水中考古学」なぜ日本での研究が進まないのか 学者が語る「意義」と「課題」

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1960年代から本格化、まだまだ水中に眠る遺跡たち

   水中の遺跡研究は19世紀から始まっていたが、1960年代以降から本格的に進んだ。スウェーデンの17世紀の軍艦ヴァーサ号は海底から引き揚げられて観光客に人気の博物館となり、イタリア南部のカンパニア州バイアにあるローマ時代の海底遺跡は、調査の上「バイア海底考古学公園」として整備され、ダイビングスポットにまでなっているという。

   日本では長崎県鷹島に沈む元軍の沈没船や、北海道江差沖で沈没した幕末江戸幕府の軍艦・開陽丸の調査も進んできた。沖縄では島しょの沿岸部に約100件の遺跡が確認され、伊豆半島の初島海底遺跡では江戸城修復のために作られた瓦が発見されている。海のみならず内陸でも、琵琶湖で100件ほどの遺跡が調査されている。

   世界では現在、水中の遺跡は引き揚げずにそのまま保存するのが望ましいとされる。全世界の海底に眠る沈没船は300万隻以上、数万件の遺跡が存在しているが、しっかりと潜水調査が行われた遺跡は数千件、完全に発掘されてすべて引き揚げられた例は各国で1~3件にとどまるそうだ。

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