井上VSドネア戦はなぜ世界で評価されたのか 米・英メディアで年間最高試合「3冠」

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井上、ドネアが見せたハイレベルの防御技術

   そして11回、この試合のクライマックスが訪れる。井上が右アッパーから左ボディーを打ち込むと、ドネアはたまらず背中を向けた。2歩、3歩と足を進め赤コーナー付近で膝をついた。カウントぎりぎりで立ち上がったドネアは、井上の猛攻に果敢に応戦。何度も空を切ったものの、迫力満点の左フックを強振し2万の大観衆を沸かせた。

   井上、ドネアのファイティングスピリッツはもちろんのこと、両者の高いレベルのボクシング技術が光った。井上の防御技術は相変わらず目を見張るものがあった。この試合では再三、ドネアと左フックの相打ちとなったが、かなりの確率で芯を外していた。相打ちにみえるシーンの多くで井上は顔を右方向にそむけてかわしている。そしてそのままの体勢から左フックをドネアの顔面にヒットさせている。高い防御技術とバランス感覚がなせる業である。

   ドネアもまた高い防御技術をみせた。左フック、左ボディーをブロックするために右の脇をしっかりと締め、右のグローブは常に右顎をガードしていた。ストレート系のパンチは右腕でブロックし、左ボディーにも対応した。11回のダウンシーンは、ドネアが井上の右アッパーに反応し、わずかに右の脇が空いたところを打ち込まれた。12ラウンドを通じて数少ないミスが、命取りとなってしまった。

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