重文SL保存施設も閉園検討 地方の鉄道遺産が直面する苦境とは

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   京都府与謝野町にある鉄道車両保存施設の「加悦(かや)SL広場」が2020年3月末での閉園を検討している。

   同園は明治~昭和時代中期の鉄道車両を保存し、中には重要文化財になっている機関車もあった。地方の鉄道保存施設としては大規模で状態も悪くなかったが、同園の苦境は地方での鉄道保存の難しさを浮き彫りにしている。閉園検討に関しては、2019年12月23日に京都新聞(ウェブ版)が報じ、J-CASTニュースの取材にも担当者が認めた。

  • 加悦SL広場ホームページより
    加悦SL広場ホームページより
  • 加悦SL広場ホームページより

重文SLや、動態保存の珍車も

   加悦SL広場は1977年に加悦鉄道加悦駅に開園した。当時、この京都府丹後地方には私鉄の加悦鉄道があり、同線の車両や機関車を保存した。加悦鉄道は1985年に廃線になるが、1996年に同線旧大江山鉱山駅跡に移転し、加悦鉄道で使われた車両を中心に現在までに27両を保存展示している。

   保存車両の中には1873年に製造された関西最古の蒸気機関車で、重要文化財指定を受けている「加悦鉄道2号機」などの機関車・客車・貨車など、歴史ある車両が含まれる。また「加悦鉄道キハ101号」は、車輪が2軸4輪の「ボギー台車」と、1軸2輪の車輪を1両に装備した珍しい「片ボギー」というタイプの車両で、鉄道ファンの間では国内現存唯一の片ボギー車両として知られる。旧国鉄の車両のように全国で活躍した、といった知名度には欠けるものの、このような稀少性の高い車両も保存されていた。

   これらは単に線路上に保存してあるだけでなく、一部は走行できる「動態保存」で保存されていて、キハ101号もそのひとつだった。展示車両は定期的にメンテナンスがなされ、車両の他にも給水塔・信号機などの鉄道施設が残されていたが、閉園検討のニュースは鉄道ファンにとって「寝耳に水」だったようだ。

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