カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を巡り、自民党衆院議員の秋元司容疑者(48)(離党届を提出し受理された)が逮捕され、事件の今後の展開がネット上で関心を集めている。
IR事業を進める安倍晋三政権への影響は、一体どうなるのか。事情に詳しい政治評論家に話を聞いた。
現職国会議員の逮捕は10年ぶり
「特捜部が久し振りに動いた。これはとても意義がある事だ」――
秋元容疑者が2019年12月25日、収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたと報じられると、ニュースサイトのコメント欄やツイッター上では、こんな声が相次いだ。現職国会議員の逮捕は、実に10年ぶりだったからだ。
各メディアの報道によると、秋元容疑者は17年9月下旬、中国企業「500ドットコム」にIR参入の便宜を図る見返りに、東京都内で同社側の3人から現金300万円を受け取ったほか、18年2月中旬には、妻子との北海道旅行で航空運賃や宿泊代など計約70万円相当を出してもらった疑いが持たれている。秋元容疑者は、17年8月から18年10月まで内閣府のIR担当副大臣を務めていた。
この事件では、北海道留寿都(るすつ)村への参入を目指した中国企業の日本法人役員らが税関に届けずに現金数百万円を国内に持ち込んだ外為法違反事件に関連して、特捜部が秋元容疑者の事務所などを12月19日に家宅捜索していた。秋元容疑者は、逮捕前のマスコミ取材に対し、一貫して金銭の受け取りを否定している。
逮捕を受けて、菅義偉官房長官は25日の会見で、捜査中のため答えを差し控えたいとしたうえで、IR事業について、「整備による効果が実感できるよう着実に進めていく」として、方針変更はないことを明らかにした。