大阪市内のコンビニで店員から「嫌韓」めいた発言をされたとして、韓国人ユーチューバーの男性が動画を投稿し、韓国のネットメディアもそのことを報じている。
店員は、客に対してタメ口だったと主張するが、実際はどうなのか。店側に話を聞いた。
「タッチ」と言われ、「『タッチして下さい』じゃないの?」
「片言でいいの?」。客の韓国人男性がレジでこう男性店員に日本語でクレームを入れると、店員は、思わず「えっ?」と返す。
このユーチューバー男性は2019年12月21日、店員とのやり取りを撮った4分強の動画を自らのチャンネルにアップした。「大阪コンビニで嫌韓される?? 韓国人を無視する日本人店員に真の教育!!」(原題は韓国語)のタイトルが付いている。
男性は、お酒などを買いにこのコンビニに入り、カゴに入れてレジに向かった。そこで、店員は商品をレジに読み込ませながら、「タッチ」と男性に指示する。その後、男性と店員が先の会話を交わし、店員は、「分からないかなと思って」と説明したが、男性は、日本語でこう注文を付けた。
「分かんない人には、片言でいいの? 『タッチして下さい』じゃないの?」
これに対し、店員は、「そうですね」と言い、男性は、不満そうに買ったお酒などを持って店を出ていた。
ユーチューバー男性は、大阪市内のお好み焼き店で4月、動画撮影を店員に注意されて「嫌韓される!」と逆ギレし、店長を呼んで店員を謝罪させる騒ぎを起こしている。一連の経緯は、J-CASTニュースも当時、「韓国人YouTuber、店員に注意され『嫌韓される!』 約300万再生、お好み焼き店は『動画配信禁止』」のタイトルで紹介した。男性のチャンネルは、現在10万人近い登録者がおり、この過去の動画がトップに置かれ、当時の倍近い約500万回も再生されている状態だ。
今回の動画は、韓国の一部ネットメディアも取り上げ、店内で最初、韓国語を話していたら店員がタメ口で応対したと批判的に報じた。動画のコメント欄には、韓国人とみられる人から共感のコメントが続々書き込まれている。
「店員が外国人だと思って英語を使ったのだと思う」
この一部韓国メディアの記事は、ネット掲示板などで日本語に翻訳されて話題になり、様々な意見が寄せられた。
「touchはため口ではない」「外国人の客だから日本語が通じない、と思って簡潔に言っただけだろ」「コンビニバイトに何を求めてるんだろうか...」といったものだ。
ユーチューバーが取り上げたこのコンビニの店長は12月23日、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。
「動画のことは存じませんでしたが、お酒はタッチ画面を押さないと買えません。このため、店員が外国人だと思って英語を使ったのだと思います」
動画では、店内が撮影され、店名まで晒されている。このことについては、「店内を何の許可もなく、勝手にビデオを撮るのはダメです。投稿した方には、動画の削除を求めたいと思います」と話した。
コンビニのある浪速区日本橋は、周辺にホテルが多いため、4、5年前からは韓国、中国を中心に外国人客が増え、今では訪れる客の半数を占めるという。マナーが悪い客もおり、「イートインコーナー以外での飲食は禁止」などとした中国語の注意書きをレジに出している。
「レジが2台ありますが、その前の列に並ばず、どちらかのレジに割り込んできますね。店内を歩きながら食べたり、会計前にそうしたりする人もいます。観光客に同じ人はいませんので、一向に改善しませんね」
こうした外国人と店とのトラブルは、この一帯でどのくらいあるのだろうか。
日本橋筋商店街振興組合や日本橋総合案内所に取材すると、「個々にはあるかもしれませんが、そのようなことは全然聞いていません」とのことだった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)