卓球の「ジャパントップ12」最終日が2019年12月22日、カメイアリーナ仙台で行われ、女子決勝は伊藤美誠(19)=スターツ=が、平野美宇(19)=日本生命=を4-1で下し初優勝を飾った。
前回優勝の石川佳純(26)=全農=は準決勝で平野に2-4で敗れ、早田ひな(19)=日本生命=は準決勝で伊藤に2-4で敗れた。
重圧解かれた平野が見せた強さ
2020年東京五輪女子代表の最後の枠を狙う平野が存在感を見せた。代表争いの重圧から解き放たれた平野は、ファーストステージ決勝で早田を下して勢いに乗ると、ファイナルステージ準決勝では熾烈な代表枠争いを演じた石川を撃破。決勝で伊藤に敗れはしたものの、代表3枠目へ存在感をアピールした。
卓球女子の五輪代表の状況を改めてみてみると、シングルス代表は伊藤と石川が確定的で、残る1枠を他の選手が争うことになる。この枠は団体戦要員となり、団体戦の戦略上から選出される。団体戦はダブルス1試合、シングルス4試合となり、3枠目に入った選手はダブルス、シングルスでの出場が濃厚となる。
団体戦は3選手が出場し、ひとりがシングルス2試合をこなし、残る2人がダブルスとシングルスそれぞれ1試合ずつ行う。「ジャパントップ12」で改めて証明したように、現在の日本のエースは実力、ランキングともに伊藤で、団体戦では順当にいけば伊藤がポイントゲッターとしてシングルス2試合の出場が見込まれる。
日本が狙う第2シードに入るためにも...
ダブルスだけではなく、3人目のシングルスという観点からも平野が他をリードしているだろう。3枠目の候補には平野の他に早田、佐藤瞳(21)=ミキハウス=らが名を連ね、伊藤、石川とのダブルスの相性や、ライバル中国との相性などから様々なオーダーが想定できるものの、シングルスで石川とそん色のない力を持ち、左利きの石川とのダブルスの相性を考慮すれば平野の優位は動かないだろう。
五輪団体戦でメダルを目指す日本は、トーナメントで中国と別の山に入るために第2シード権を得たいところだ。五輪のシードは、出場選手のランキングの総合で決まり、ランク上位を占める中国が第1シードとなるのはほぼ確実。第2シードをより可能性の高いものにするためにも、3枠目の選考にあたって世界ランキングもひとつの要因となりそうだ。
「ジャパントップ12」は五輪代表の選考試合ではないものの、平野にとって十分にアピールする場となった。「五輪レースならではの苦しみを知った1年だった」と振り返る平野。五輪代表の残り1枠は予断を許さない状況に変わりないが、「ジャパントップ12」で改めてその実力を証明した19歳。注目の代表発表は来年1月6日に行われる。