比嘉は復帰まで2年を要したが...
選手の体重管理について世界的にみて日本は厳格である。国内のノンタイトル戦での体重超過は見られるものの、世界戦において日本人王者が体重超過したのは過去1人だけ。WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(24)=白井・具志堅=が、2018年4月の防衛戦で体重を超過したのが初めてで、日本ボクシングコミッション(JBC)は比嘉に対してライセンスの無期限停止処分の厳罰を科した。今年10月に処分が解除され、来年2月に復帰戦を予定しているが、復帰のリングに上がるまで約2年を要した。
世界的にみてプロボクシングは興行ありきのスポーツで、たとえ選手が体重超過を犯してもプロモーターは試合成立を最優先とする傾向にある。ジェイコブスVSチャベスJrの一戦は、ストリーミング配信DAZNが全米中継を予定しており注目度が高く、なおさら試合を中止するわけにはいかず、巨額の罰金が生じても試合を成立させなければならなかったようだ。
メキシコの国民的英雄フリオ・セサール・チャベス氏を父に持ち、WBCの地域タイトルを獲得しながら頂点に登りつめたチャベスJr。甘いマスクと父譲りのボクシングセンスでメキシコでの人気は高いものの、過去には飲酒運転で逮捕され、ドーピング疑惑などスキャンダラスな面を持つ。ここ最近はメディアから練習不足を指摘されることも多く、今回の一戦の予想賭け率は皮肉なことに2キロ以上軽いジェイコブスの16-1となっている。