「彼女が嘘をついてることにはなりません」
主張に強い自信を見せ続けた山口氏。だが直後の会見で、伊藤氏は「嘘つき」の指摘に反論した。
「弁護士さんは『ブラックボックス』を読んだといいますが、それなら私が『嘘つき』でないことを理解できるはずです。
弁護士さんは、私が受診したクリニックのカルテに『記憶がまったくない』と私が述べたとしています。しかし、私は(事件当日に山口氏と訪れた)寿司屋のトイレに行った時点で失神しました。その後で起きて、ひどいことがされていて、痛い痛いと叫んだ。寿司屋のトイレから起きるまでは記憶がないですが、起きた時点からの記憶はあります。
おそらく私は受診した時、『一部の記憶がない』と申し上げたと思います。その話を聞いていた医師や看護師さんは、調査の専門家ではありません。判事は、私の話には変遷がないと判断しました。私の話には一貫性があります」
伊藤氏の代理人・村田智子弁護士が付け加える。
「彼女が事件後に行った産婦人科について、昨日の判決には、このカルテの記載内容の正確性には疑いがあるとはっきり書かれています。カルテの記載と彼女の記憶が矛盾するからといって、彼女が嘘をついてることにはなりません」
「元検事のおじ」について、伊藤氏は「正確にはおじは副検事です」と反論した。村田弁護士も「副検事と仕事で会うことがよくあります。副検事さんのことも検事さんと呼びます。法律の専門家でない方が、副検事を検事と呼ぶのはごく自然なことだと思います」と指摘した。