保守速報、大阪市ヘイト条例に抵触か? 運営者「松井市長から通知書が届きました」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   まとめサイト「保守速報」の運営者が2019年12月17日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策条例に抵触したとして、大阪市から通知書が届いたと公表した。

   運営者は「今後、大阪市と争う事になると思います」とコメントする。市の見解を聞いた。

  • 「保守速報」トップページ(画像は一部加工)
    「保守速報」トップページ(画像は一部加工)
  • 「保守速報」トップページ(画像は一部加工)

「今後、大阪市と争う事になると思います」

   保守速報の運営者は17日付の記事で「先日、大阪市ヘイト条例の件で松井市長から通知書が届きました」と伝えた。

   添付された写真を見ると、松井一郎・大阪市長名義で11月29日付に作成されたとみられる書類が確認できる。本文には「条例第5条第3項本文の規定により(中略)証拠を提出する機会を与えますので通知します」と書かれている。

   運営者は「大阪市からヘイトスピーチに該当するとされたブログの過去記事を削除したにもかかわらず措置を取るとのことです」として、「今後、大阪市と争う事になると思います」と争う構えを示す。

   同条例は大阪市のヘイトスピーチ対策条例を指しているとみられ、第3項は「市長は、第1項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に係るヘイトスピーチを行ったものに公表の内容及び理由を通知するとともに、相当の期間を定めて、意見を述べるとともに有利な証拠を提出する機会を与えなければならない」などと定めている。

   保守速報は12年4月に開設され、ネットの掲示板などの書き込みを転載して紹介するまとめサイトだ。保守的かつ「嫌中・嫌韓」的な編集方針で知られ、人種差別的な書き込みを転載することもあった。

   この編集方針をめぐっては、同サイトに広告を掲載している企業へ取り下げを求める動きがネット上で広がり、広告掲載を停止する企業が相次ぐ騒動が過去にあった。

   また、ネット上のヘイトスピーチ投稿をまとめて掲載され、名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人の女性が運営者に損害賠償を求めた訴訟では、18年12月に200万円の支払いを命じる判決が確定した。

条例は「(当該の)氏名または名称を公表するもの」としている

   大阪市市民局の人権企画課長は19日、J-CASTニュースの取材に、「個別案件の進捗にはお答えできない」と話す。

   一般論としては、市の審査会でヘイトスピーチと認定した場合、当該の人物(組織)に通知書を送り、その後、意見を述べるとともに有利な証拠を提出する機会を与えるという。

   申し出があった場合は、審査会の意見を聞いた上で、事実の公表と削除要請をするか決める。16年7月に全面施行されて以降、ネット上でのヘイトスピーチが6件公表されている。

   条例では「(当該の)氏名または名称を公表するものとする」とあるが、現在までにハンドルネームの公表はあっても、実名が明かされた例はない。人権企画課長は「(通知書を送るために)氏名・住所を教えてもらえるようにプロバイダーからご本人に連絡を取ってもらったことはありましたが、本人から答えがあったことはなかった」と説明する。

姉妹サイト