卓球の伊藤美誠(19)=スターツ=と石川佳純(26)=全農=が、2020年東京五輪女子シングルスの代表入りすることが確実となった。すでに伊藤が代表を確定させ、今月(2019年12月)12日に中国で開幕したグランドファイナルにおいて残り1枠を石川と平野美宇(19)=日本生命=が争っていた。五輪代表枠は3枠あり、団体戦出場を巡る最後の枠を誰が獲得するのか、注目が集まっている。
ダブルスの実績で平野と早田の一騎打ちか
選手のこれまでの実績を考慮し現在、代表3枠目の候補には、平野、早田ひな(19)=日本生命=、佐藤瞳(21)=ミキハウス=らが挙がっている。団体戦要員となる3枠目は、世界ランキングに関係なく、シングルス代表選手とのダブルスの相性などから協会が選出。そのためダブルスの実績がある平野、早田が選出される可能性が高く、実質、平野と早田の一騎打ちとみられている。
五輪の団体戦においては、3人目の選手がカギを握ることになりそうだ。東京大会から団体戦の試合順が変更され、これまで第3試合に行われていたダブルスが1試合目に行われる。団体戦は3勝先勝方式で行われるため、第1試合のダブルスがより重要性を増す。このダブルスに出場するのが、最後の枠で選ばれた選手となる。
団体戦の流れは、第1試合がダブルスで、第2試合から第5試合までシングルスが続く。ダブルスに出場した選手はそれぞれ第3、第5試合のシングルスに出場する。通常、エース格の選手はダブルスには出場せず、ポイントゲッターとして第2、第4試合のシングルスに出場する。
エース伊藤のシングルス2戦が現実的か...
日本代表でいえば、エースは伊藤で石川が2番手となるだろう。団体戦のオーダーを考えれば、石川がダブルスとシングルスを担当する可能性が高い。そうなると、3枠目の選手は石川とダブルスを組むことになり、ダブルスで石川と組んで実績を残している平野が俄然、優位に立つ。また、石川は左利きで、同じ左利きの早田と比べて右利きの平野の方が相性は良く、シングルスにおいても平野の方が早田よりも上を行く。
協会が団体戦のダブルスに重きを置く戦略を取るならば、早田が選出される可能性がある。その場合、伊藤と早田ペアになることが想定される。伊藤、早田ペアは今年4月の世界選手権ダブルスで準優勝しており、実績は十分だ。団体戦において第1試合の結果はその後に大きく影響を与えるため、より確実にダブルスを取りに行くとすれば伊藤、早田ペアが理想だろう。ただ、ライバル中国との相性を考えると、やはり伊藤の2試合出場が現実的か。
石川との代表争いに敗れ、シングルスでの代表はならなかった平野は「選ばれなかったのは悔しいけど、人生の全てではない」と気丈に振舞い、「選ばれたら3人でしっかり力を合わせていい結果を出せるようにしたい」と続けた。注目の代表は来年1月6日に発表される。