イチローさん(46)が受けた学生野球資格回復研修について、野球評論家の張本勲さん(79)がテレビ番組で「喝だ!」と声を張り上げたことが、ネット上で論議になっている。
張本さんは、最高の技術を持った人には不要だと主張したが、専門家からは異論も出ている。
「こんなくだらん制度は止めてもらいたい」
「アマチュア協会に、こんなくだらん制度は止めてもらいたいわね」。張本さんは、2019年12月15日放送のTBS系報道番組「サンデーモーニング」への出演で、冒頭からこうダメ出しをした。
プロ野球経験者は、高校や大学の野球部員に直接指導することは禁じられている。学生野球資格回復研修を修了し、日本学生野球協会の承認を受ければ、監督などとして指導できるようになる。イチローさんは、3日間にわたるこの研修を受け、テレビで映像が流されて話題になった。
番組では、イチローさんの研修ぶりが紹介された後、司会の関口宏さん(76)が「張さん...」と意見を求めようとした。すると、張本さんは、言い終わらないうちに喝を入れて、こう続けた。
「野球で最高の技術持った人が、アマチュア、子供、技術がまだ足りない未経験者に教えるのに、何が研修必要なの?学業、勉強じゃないんだ。野球を指導するんだから」
関口さんも、「そうですわね」と賛意を示すと、張本さんは、さらに説明した。
「逆なら分かるよ、あり得ないわね、アマチュアがプロを教えるの。ヤキモチなんだよ。自分たちがね、野球がうまい人が下りてくると職がなくなると思ってるの」
「一理ありますね」「プレイと教える技術は異なる」
「イチローみたいな選手はね、子供から学生から社会人から、時間ある時にどうぞ指導してくださいともろ手を挙げて頼まなきゃ。3日間、何の研修するの?」
「じゃあ囲碁、将棋の名人がアマチュア教える時にその資格取りますか?逆だよ、アマチュアの人が金品持ってきて教えてくださいと言うんだから」
研修を受けたイチローさんについては、「我々よりも彼は野球が好きなんだ」とフォローしていた。
張本さんの主張については、ニュースサイトのコメント欄やツイッターなどに様々な意見が寄せれている。
「一理ありますね」「確かにプロなんだから研修?って思う」と賛意を示す声のほか、「技術論の研修じゃないと思うけどな」「プレイと教える技術は異なるもんじゃない?」などと疑問や批判も出ている。
スポーツの専門家は、異論を唱える向きも多い。東京農業大学の勝亦陽一准教授(スポーツ科学)は、スポーツ紙の報道を知って、「『張本さん、それ逆ですよ』 選手としてはプロだけど指導者としては素人。学ぶのは当たり前」とツイッターで指摘していた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)