「公的病院再編」大反発招いた厚労省の読み違い とはいえ見直しは避けられない

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2020年9月末までに結論求めるが

   日本の医療費を語るときに常にやり玉にあがるのが、人口当たりの病床数が多いこと。不要な長期入院を招く原因とされる。特に看護師などスタッフを手厚く配置するため医療費がかさむ「急性期」の病床が医療費を膨らませているとして、急性期病床をリハビリ用病床に転換していけば、長期入院も医療費膨張も抑えられ、また、分散する病床を集約して当直体制などを厚くすれば、勤務医の過重労働や地方の医師不足も改善できる――地域医療構想にはそんなシナリオが織り込まれている。今回のリスト公表の具体的ターゲットは、まさに急性期病床の削減であり、そのための統合や再編なのだ。該当する424病院について厚労省は、原則として2020年9月末までに結論を出して報告するよう求める。

   10月27日の政府の経済財政諮問会議では安倍晋三首相が「持続可能で安心できる地域医療、介護体制を構築するためには地域医療構想を実現することが不可欠だ」と強調。民間議員は厚労省に対し、病床が過剰な地域では民間病院についても再編の必要性を分析するように求め、病床の整理に積極的な民間病院には「今後3年程度に限って集中再編期間として、大胆に財政支援をすべきだ」と提言した。

   ただ、すんなり進むかは大いに疑問だ。政府の構想に対し日本医師会は「民間と公的病院が競合している場合は、公が引くべきだ」と主張していて、公・民の違いを超えた再編は容易でない。

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