「公的病院再編」大反発招いた厚労省の読み違い とはいえ見直しは避けられない

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   再編・統合の検討が必要とされる424の公立・公的病院のリストを厚生労働省が公表したことが各地域の反発を招いている。

   政府はこれを材料の一つに議論を加速し、2025年度までにベッド数や診療機能の縮小なども含めた再編・統合を終える計画だが、地域社会のあり方にも関わるだけに調整は難航必至だ。

  • 地域医療のあり方が問われる(イメージ)
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424カ所を「再編・統合が必要」

   全国1652の公立・公的病院(2017年度時点)のうち、人口100万人以上の区域に位置する病院などを除き、重症患者を扱う「急性期」病床のある1455病院の診療実績をもとに分析。心疾患、脳卒中、救急など9分野の高度医療について、「診療実績が乏しい」「代替する民間病院が近くにある」などの基準をもとに、計424を「再編・統合が必要」として9月26日に発表した。内訳は都道府県や市町村が運営する公立病院257、国立病院機構や済生会など公的病院167で、同省サイトにも掲載した。

   政府が再編を急ぐ背景に「2025年問題」がある。団塊の世代(1947~49年生まれ)が全員75歳以上の後期高齢者になり、医療・介護費用が一段と膨張するというものだ。医療に使われるお金の総額(国民医療費)は右肩上がりで増え、2000年度の30兆円が2018年度には45兆円に達しており、2025年度には4兆円に膨らむとされる。

   ただ、大都市で医療費などが増える一方、人口が減る多くの地域は減るなど、地域的に偏る。そこで国は、それまでに医療費全体を抑えつつ、地域の実情に合わせた医療体制を整えるため、2014年の医療介護総合確保促進法に基づき、2025年度を目標に、全国を339区域に分けて「調整会議」を置き、病院関係者らが話し合って規模や役割を見直す「地域医療構想」を進めている。

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