商社育ち、インド出身、生え抜き組... 日産率いる「三頭体制」の前途は

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   カルロス・ゴーン前会長が逮捕された2018年11月以降、経営の混迷が続く日産自動車。2019年12月1日に発足した新たな経営体制は、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)をアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)と関潤副COOが支える三頭体制で、落ち込んだ販売の立て直しや連合を組むフランス自動車大手ルノーへの対応に臨む。

   世界の自動車業界は「100年の一度の変革期」を迎えており、日産の停滞が続けば、ドイツのフォルクスワーゲンに次ぐ世界2位の販売台数を誇るルノー・日産・三菱自動車の3社連合も決して安泰ではない。

  • 内田新社長(プレスリリースより)。難しいかじ取りを迫られる
    内田新社長(プレスリリースより)。難しいかじ取りを迫られる
  • 内田新社長(プレスリリースより)。難しいかじ取りを迫られる

商社から37歳で日産へ

   「この1年、多くの混乱をもたらし、世間をお騒がせしたことを厳粛に受け止めている」。就任翌日に社長として初めての記者会見に臨んだ内田氏は、冒頭に日産が置かれている厳しい立場を認めた。長年トップを務めたゴーン前会長が特別背任などの疑いで東京地検特捜部に逮捕され、続いてトップに立った西川広人前社長兼CEOも自身の報酬に関わる問題で2019年9月に辞任した。起死回生に向けて、社外取締役を中心メンバーとする日産の指名委員会が内田氏ら新経営陣を選んだ。

   内田氏は53歳。同志社大学神学部を卒業して、日商岩井(現双日)に入社。2003年に37歳で日産に移った。商社時代から海外勤務経験が豊富で、社長就任の直前まで中国事業を統括する立場だった。2日の記者会見では「ハードルの高い計画を進めた結果、急激な業績悪化を招いた」と過去の経営を振り返り、高い目標を掲げていたゴーン時代を否定して「脱ゴーン」を進める決意を示した。

   インド出身でルノーに勤務した経験があるグプタ氏は三菱自動車COOから日産に移った。生え抜きの関氏は専務執行役員から昇格した。

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