札幌市内の道央札幌郵便局から「ロケットランチャー」と書かれた郵便物が見つかったと警察に通報があったと一部で報じられ、ネット上で一体何なのかと話題になっている。
陸上自衛隊などに取材すると、その「正体」が見えてきた。どのような経緯があったのだろうか。
火薬が入っていない訓練用の小型ロケット弾
読売新聞の2019年12月11日付ウェブ版記事によると、札幌東署に通報があったのは、10日16時ごろで、「郵便物の中に不発弾のようなものがある」との内容だった。
物騒な品名から郵便局職員ら約300人が避難し、周辺が立ち入り禁止となった。別の報道では、X線検査中の職員が不審な郵便物を見つけたという。警察が周辺住民に外出を控えるよう呼びかけ、爆発物処理車とみられる捜査車両が行き来して物々しい雰囲気だったようだ。
この報道に、ツイッターやネット掲示板などでは、驚きの声が上がると同時に、玩具やモデルガンではないのかといった声も上がり、ロケットランチャーの具体的な型番名を挙げる向きもあった。
その後の報道では、警察が調べたところ、小型ロケット弾の実物かレプリカ品だったという。訓練用とみられ、日本語が書かれていて旧日本軍のものとする報道もあった。長さは60センチ、直径は10センチで、火薬は入っていなかった。
北海道の男性が、数年前に骨とう品店で購入し、ネットに出品して、本州の購入者に郵送しようとしたという。札幌東署では、ロケット弾の処理を陸上自衛隊に引き継いでいる。
ネット検索すると、実物やレプリカが続々
札幌東署は12月13日、J-CASTニュースの取材に対し、郵便物に入っていたものは危険性がなく、事件性もないとしてすでに処理したと明かした。
陸上自衛隊の第11旅団は、ロケット弾について、レプリカ品ではなく、撃った後の「撃ち殻」と呼ばれる訓練用の弾だったと広報室が取材に答えた。旧日本軍のものかどうか、いつの時代のものかは、明確でないという。火薬は入っておらず、危険性はないとしている。
警察が北海道の男性や購入者に返さなかったのは、本人がロケット弾の受け取りを拒んだためではないかという。
ロケット弾は、警察では処理できないため、11日に陸自に引き渡され、陸自では、すでに処分したとしている。不発弾処理の依頼は警察から時々来るものの、郵便物に入っていたロケット弾の処理は珍しいそうだ。
ちなみに、ヤフオクやメルカリで、ロケットランチャーやロケット弾と検索すると、実物やレプリカなどとして、様々な種類の商品が出てくる。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)