2019年12月13日から15日(日本時間では14日~16日)にかけてアメリカ・ロサンゼルスで『ストリートファイターV AE』(以下、ストV)の世界大会、「Capcom Cup」が開催される。
出場条件は厳しく、3月から世界各地で行われている予選大会「Capcom Pro Tour」で獲得できるグローバルポイントで上位26名に入った選手及び前年度優勝者、地域決勝優勝者4名、最終予選優勝者1名の合計32名のみが参加できる、文字通り世界最高峰のプレイヤーを決める大会だ。
32人の精鋭による最終決戦
それだけに優勝した際に得られる栄誉と報酬も、また大きい。昨年度優勝者のガチくん(Red Bull Athlete)は賞金25万ドル(約2800万円)を手にし、知名度も上昇し大きな飛躍を遂げることとなった。
ただし大会予選への参加は過酷を極める。予選にはグローバルプレミア大会(以下、プレミア大会)と地域ランキング大会(以下、ランキング大会)の二種類が存在しているが、プレミア大会の方が獲得ポイント数は大きいため、多くの選手が参加し激しい争いとなる。
今年のプレミア大会は3月から11月にかけて全17回が開催されたが、開催地はアメリカ、日本、カナダ、イギリス、フランスなど様々だ。毎週のように海外遠征に出かける時期もあり、時差もあって体力的にはかなりの負担となる。『ストV』には他にも様々な大会も存在する上に、国内ではRAGEが主催するリーグ戦や、様々な地方大会も無数に開催されている。有名プロゲーマーともなれば、様々なイベントやTV番組への出演もあり、文字通り殺人的なスケジュールの中で腕を磨きながら予選を戦い抜く必要がある。
費用面でも年間数百万円が必要となるため、スポンサーからの支援無しに継続的な参加は難しい。今年も予選に参加したいが資金が無い後輩プロゲーマーのために、先輩のプロゲーマーが渡航費用を負担した例もあるほどだ。より一層のeスポーツ興隆と制度の整備により、若い選手がもっと気軽に海外遠征に出られる機会が増えるのが望まれる。
こうした様々な試練を潜り抜けた32名による究極の戦いが「Capcom Cup」だ。名誉と賞金、そして人生を賭け、磨き上げた技術と精神力がぶつかり合う至高の瞬間が訪れるのはもう間もなくだ。『ストV』を愛するすべての人に、かつて格闘ゲームを愛していたが今は離れてしまっている人に、そしてこの記事を読んでわずかでも興味を持ってもらえた方の全てに「Capcom Cup」を見てもらいたい。
(eスポーツライター 早川清一朗)