「化成」手放す日立 選択と集中狙いさらなる「売却劇」も?

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投資家はすでに他の子会社に注目

   日立製作所は2019年5月に発表した中期経営計画(2019~21年度の3年間)で、2018年度9兆4800億円の連結売上高を3年後に10兆円以上に、売上高営業利益率を8%から10%超に引き上げるという目標を掲げており、利益率が低迷する日立化成は、デジタル化の中で素材~製品という開発過程での相乗効果が低下していることもあって、これ以上持ち続ける必要性はないと判断したとみられる。

   中期経営計画は低採算事業売却の一方で、強みがあるエネルギーなどのインフラで稼ぎつつ、IoTなどに重点投資する方針を明確にした。具体的に、顧客の工場のデータを収集・分析して最も効率的に生産したり、鉄道運行で列車の本数を混雑度に応じて自動的に調整したりするといったシステムや、産業用ロボットを活用した高効率の物流システムなどを柱と位置付け、3年間で2.5兆円の投資をする計画だ。

   こうした流れの中で、日立化成の次は日立金属が注目されている。10月、2020年3月期の連結最終損益の見通しを285億円の黒字から470億円の赤字に引き下げ、11年ぶりの最終赤字に転落する見込み。にもかかわらず、売却の思惑から、株価は過去1年の1100~1300円のボックス圏の動きから、10月以降、右肩上がりに転じて足元で1500円台に乗せている。

   同社も、日立建機も、日立ハイテクノロジーズも、売上高は7000億~9500億円の規模を誇る優良企業だけに、市場はその動向を注視している。

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