「無謀」と「過剰な力」
サッカーのルールは国際サッカー評議会(IFAB)が制定しており、日本サッカー協会(JFA)はこれを日本語訳して、解説つきで「サッカー競技規則」として公式サイトで公開している。
そこでは「競技規則は、受け入れられることができない危険なプレーを懲戒罰の用語として整理している。例えば、無謀なチャレンジや相手競技者の安全を脅かすことは警告=イエローカード(YC)であり、過剰な力を用いることは退場=レッドカード(RC)である」などとカード基準も示している。「無謀」と「過剰な力」はさらに次のように説明がある。
「無謀とは、相手競技者が危険にさらされていることを無視して、または、結果的に危険となるプレーを行うことであり、このようにプレーする競技者は、警告されなければならない」
「過剰な力とは、競技者が必要以上の力を用いて相手競技者の安全を危険にさらすことであり、このようにプレーする競技者には退場が命じられなければならない」
退場となる反則には、「著しく不正なプレーを犯す」という基準もあり、下記の説明がある。
「相手競技者の安全を脅かすタックルまたは挑むこと、また過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、著しく不正なプレーを犯したことで罰せられなければならない。いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横、あるいは後ろから突進した場合、著しく不正なプレーを犯したことになる」
石井氏はこうしたルールに基づき、「流れの中で、ボールの高さが足でクリアできるくらいだと審判には見えてしまった。かつフィフティ・フィフティくらいのタイミングでボールにプレーしに行ったと見えたから、『結果的に危険となるプレー』と判断し、イエローにしたのでしょう」と推測。報道によると、ジャンも試合後「意図的に相手を傷つけるつもりはなかった」「直接彼を蹴ったのではない」と、あくまでボールを蹴りに行ったと釈明している。