歌詞の起源は幼少期の自らの体験
同シングルの2曲目には、「チキンライスができるまで~松本人志~」とのタイトルで、同曲のインストゥルメンタルバージョンが流れる中、松本さんが作詞の際にコンセプトとした自らの幼少期を振り返るトークが収録されている。この中で松本さんは、幼少期の実家は貧乏であったが、それでも家族で外食に行くことはあったと回顧。何を頼んでも良いとする親からの言葉を噛み締めつつも、頼むのはいつも、安価なメニューであるチキンライスだったと明かしている。その理由として松本さんは、チキンライスはそれほどの好物ではなかったとしつつ、高価なメニューを頼んだのが引き金となって、家族で外食に行く習慣がなくなってしまうことを恐れたためだったと明かしているのだ。
実際、楽曲を聞いてみると、歌詞はトークの内容を忠実に踏襲したものとなっている。決して高級なメニューではないチキンライスという料理を題材にして自らの幼少期を語りつつ、それをクリスマスソングにしてしまうという見事な作風に当時の人々が共感したからこそのオリコン2位だったことは想像に難くない。また、それから15年後となる2019年に松本さんは、「1位になれず2位どまりだったのもチキンライスらしくて好きだ」とツイートしたわけだが、料理の「格」という意味では頂点を取りえない「チキンライス」がオリコン1位を獲得しなかったことに、同曲らしさを感じ取っていることを表明した見事なツイートだと言えるだろう。