来季にも導入の「現役ドラフト」 元MLB関係者が提唱する「1軍縛り」

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   日本プロ野球選手会が来年からの実施を求めている現役ドラフトの骨格が見え始めた。選手会は2019年12月5日の定期総会で、日本野球機構(NPB)が作成した現役ドラフト案について話し合い、改めて12球団に来年からの実施を強く求めることを確認。来シーズンからの導入へ向けて来年1月中に制度案をまとめあげる構えだ。

   現役ドラフトの制度に関してスポーツ紙などの報道によると、おおまかに次の4点が選手会で検討されているようだ。1点目は、各球団が8選手をリストアップすること。2点目は、各球団が1人ずつ指名すること。3点目は、8月に実施すること。そして4点目は、リストは非公表とすることだ。

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「選手の地位の確保が絶対に必要」

   選手会が目指すのは、現役ドラフト導入によって選手の出場機会を増やし、球団による「飼い殺し」をなくすことだ。この制度はMLBが導入している「ルール5ドラフト」を参考にしたものとみられ、1軍での出場機会に恵まれない有望な若手を「救済」する目的を含んでいる。

   選手会は来シーズンからの導入を目指しているものの、各球団から様々な意見が出ており、まとまるまで時間を要するとも見方もある。MLBの元球団職員でNPBにも通じる関係者は、「必ずしもメジャーの方式に沿う必要はなく、日本独自のものを作り上げればいい」とした上で、次のように提案した。

「まだ全体像がはっきりしていませんが、現役ドラフトを導入するならば、ドラフトで獲得した選手の地位の確保が絶対に必要です。1年間、1軍枠で起用し続けることを盛り込まないと、せっかく移籍しても前球団と同じような起用法になってしまう可能性がある。有望な若手にステップアップのチャンスを与えることにこの制度の意味があると思いますので、これは必須でしょう」(関係者)

「球団が有望な若手を自ら手放すようなことは...」

   前出の関係者は各球団が8人の選手をリストアップするという方法にも疑問を呈する。

「球団が有望な若手を自ら手放すようなことはしないでしょう。だから特定の選手をリストアップするのではなく、1軍の最低保障年俸に届いていない選手全てを対象にすれば良いと思います。他球団に取られたくなければ、その選手の年俸を最低保障よりも高くすればプロテクトができ、1軍半の選手の底上げにもつながるでしょう。嫌がる球団はあるかと思いますが」(関係者)

   現役ドラフトの実施時期については、様々な意見が出ているようだ。巨人の原辰徳監督(61)は、私案として「3月実施」を提唱した。トレード期間が7月末で終了するため、直後の8月実施を検討しているとみられるが、原監督は8月に実施した場合、獲得した選手がそのシーズンの構想外になってしまう可能性を示唆。3月実施ならばシーズンを通しての戦力として見込めるというもの。

   前出の関係者も原監督の私案に賛同する形で、シーズンオフの実施を提唱する。「現役ドラフトにかかる選手は、シーズン終盤に向けて補強する選手とは意味合いが違います。1年間、しっかり1軍で起用しながら育成することが目的のひとつですから、実施はオフシーズンがベストでしょう。次のシーズンに向けて本格的にチーム編成に着手する12月が、球団にとっても選手にとっても良いと思います」(関係者)

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