ボクシングのWBCは2019年12月11日までに世界ランキングを更新し、バンタム級1位にランクされていたルイス・ネリ(24)=メキシコ=をランキングから除外した。ネリは11月23日に予定されていた元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との一戦の前日計量で体重超過の失態を犯し、試合は中止された。
最新ランキングでは、同級王者への指名挑戦権を得たノニト・ドネア(フィリピン)が1位にランクインし、井上拓真(大橋)は6位、比嘉大吾(白井・具志堅)は7位となった。また、前WBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)が5位にランクインした。
ネリの体重超過を巡って、WBCのマウリシオ・スライマン会長はバンタム級のランキングから除外することを明言していた。ネリは2018年3月に行われた山中慎介氏とのタイトル戦でも体重を超過し、タイトルをはく奪された。今回は再計量を拒否して金銭交渉によって試合成立をもくろんだことから陣営に対して批判の声が集まっていた。
JBCは事実上の永久追放処分
WBCに先んじてすでにWBAが世界ランキングからネリを除外。WBOのフランシスコ・バルカルセル会長は今月3日から都内で開催された総会の席で、ネリをWBOの世界ランキングに入れないことを含め、WBOの世界戦出場を認めない可能性に触れた。IBFはもともとネリを世界ランキングに入れておらず、世界の主要4団体から締め出される可能性も出てきた。
体重超過に加え、かつてドーピング違反の疑惑があったネリに対して海外メディアは辛らつで、「永久追放」を望む声も上がっている。世界的に権威のある米国の専門誌「リング誌」が格付けするバンタム級ランキングでもランク外となった。海外メディアは今回の体重超過を重く受け止めており、ネリの今後の活動に大きく影響を及ぼしそうだ。
2018年のタイトル戦で犯した体重超過のペナルティーは6カ月間のライセンス停止で、処分明けの同年10月に復帰戦を行った。日本ボクシングコミッション(JBC)はネリを事実上の永久追放となる処分を科し、現在、ネリは日本のリングに上がることが出来ない。