医師に見解を求めると...
その一人、『"意識高い系"がハマるニセ医学が危ない!』(育鵬社刊)の著者で五本木クリニック院長の桑満おさむ医師に見解を問うと、ざっと調べただけでも科学的根拠(エビデンス)が不明な記事が5本見つかったという。
例えば、15年12月付記事「子どもの水いぼ...痛みを最小限にとどめる治療法は?」では、水いぼの治療法に「入浴後に傷用のイソジン液をイボに塗ったり、木酢液や竹酢液を湯船に入れて治したお母さんもいます」と紹介している。
しかし、桑満氏は「イソジン・木酢による効果はどう考えてもありえないのでは」と疑問を呈す。東京女子医科大学八千代医療センターの公式サイトでも、いぼ治療において「イソジン軟膏外用、グルタールアルデヒド(毒性のある消毒液)外用、木酢液外用、お灸といった民間療法など欧米においてエビデンスのない治療法は当科では一切取り入れておりません」と説明している。
また、桑満氏は根本的な問題も指摘する。記事を監修した専門家の名前がほとんど記載されていない点だ。前述の記事では、「産科看護師」「内科看護師」を名乗る匿名の人物が解説している。
「ネットの健康・医療情報はさまざまありますが、大事なのは誰が書いたのかです。わからないのは信頼度が低いといっていいでしょう。仮に医師が監修していたとしても、それを専門としている人なのかも見極める必要があります」(桑満氏)