首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、大手マスコミに対しても、警察の捜査を受けるジャパンライフと接点があったとして、ネット上で疑問や批判が相次いでいる。
国の業務停止命令後も、通販事業部名の商品記事を載せたりしていたからだ。同社との認識がなかったと説明する新聞社もあるが、理解は得られるのだろうか。
記事の掲載を宣伝に利用
磁気治療器などのマルチ商法をしていたジャパンライフは、特定商取引法違反などで2016年12月に消費者庁から業務停止命令を出された。その後も、3回にわたって命令が出されるなど、社会問題になりつつあった。
被害者も増えていたが、新聞やテレビでは、その間も、ジャパンライフの商品情報やCMを流し続けた。
同社には、マトリックスワールドという名の通販事業があり、朝日新聞は、2017年9月29日付夕刊で、ジャパンライフの名前はなかったが、マトリックスワールドのシャンプー商品として読者プレゼントの小さな記事を出した。ジャパンライフは、この記事をサイト上で紹介するなど、被害者向けの宣伝に使い、このほかにも朝日の記事に商品などが取り上げられたとサイトに載せていた。
東京新聞も、同年10月13日付朝刊で、同じシャンプーの読者プレゼント記事を載せ、ジャパンライフは同様に、東京新聞には他の紹介記事もあるとして、宣伝に活用していた。別の大手新聞も、同様な記事を載せている。
さらに、朝日新聞では、退職した元政治部長の橘優氏が2014年か15年ごろから17年7月までジャパンライフの顧問となり、同社の会社案内にも載っていたことが、ネット上で話題になっている。橘氏は、17年1月27日の大物政治家を囲んだジャパンライフの山口隆祥元会長主催の懇親会に、他の大手マスコミ幹部ら数人とともに参加し、ジャパンライフは、被害者向けの宣伝資料で、橘氏を元朝日新聞文化財団常務理事とするなどして幹部らの参加を顔写真付きで紹介していた。