ボクシングのWBCは2019年12月10日、WBC世界バンタム級王者ノルディーヌ・ウバーリ(33)=フランス=の指名挑戦者として元WBA世界バンタム級スーパー王者で同級4位ノニト・ドネア(37)=フィリピン=を指名した。すでに交渉期間はスタートしており、両陣営による交渉がまとまらなければ2020年1月3日に入札される予定だ。
WBCがバンタム級の次期挑戦者としてドネアを指名した。バンタム級の指名試合をめぐっては、11月23日に同級1位ルイス・ネリ(24)=メキシコ=と元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(27)=プエルトリコ=との間で指名試合挑戦者決定戦が行われる予定だったが、ネリが体重を超過して試合が中止になった。
ドネアは11月7日に日本で開催されたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム級決勝で井上尚弥(26)=大橋=に敗れ、WBA世界バンタム級スーパー王座を明け渡した。直後のWBCの最新ランキングでは世界4位にランクインしていた。
ネリはシルバー王座はく奪の可能性も
WBCの最新ランキングは12月10日までに更新されていないが、ドネアがウバーリの指名挑戦者に選ばれたことで、1位にランクされていたネリがバンタム級のランキングから除外され、保持するシルバー王座をはく奪される可能性も。ただ、WBCはネリに対して明確な処分を明らかにしておらず、スーパーバンタム級、フェザー級でランクインする可能性もある。
また、王座統一を目指すWBA、IBF世界バンタム級王者・井上は、現在のところWBO王者ジョンリル・カシメロ(29)=フィリピン=との対戦を熱望しており、その次の標的はWBCとなる。ウバーリとドネアの指名試合がまとまれば来春にも試合が開催される可能性が高く、ドネアが勝利すれば井上との再戦の可能性も。
ネリの体重超過によって指名挑戦権の行方が不透明となっていたが、ドネアが挑戦権を得たことで世界のバンタム級戦線が大きく動き出そうとしている。