ボクシングのIBF・WBA・WBO世界ヘビー級タイトル戦が2019年12月7日、サウジアラビア・ディルイーヤアリーナで行われ、前王者アンソニー・ジョシュア(30)=英国=が、王者アンディ・ルイス(30)=米国=を3-0の大差判定で下した。今年6月にルイスに7回TKOで敗れたジョシュアは、王座返り咲きに成功した。
会場からはブーイングも
試合は大方の予想通り、身長、リーチで大きく上回るジョシュアが距離を取る展開に。リング上の王者は以前にまして腹回りがだぶつき、調整不足は明らかだった。前回の対戦時よりも約5キロ絞って臨んだジョシュアに対し、ルイスは約7キロ増の128.6キロでリングに上がった。
1回にジョシュアが右ストレートでルイスの左目じりを切り裂き、試合は早くも流血戦に。だが、ジョシュアはルイスの一発を警戒するあまり危険を冒さず「安全運転」に徹する。一方、前回4度のダウンを奪ったルイスはジョシュアの懐に入り込むことができず、試合は盛り上がりに欠け淡々と進み、会場からブーイングが起こる場面もみられた。
危険を避ける挑戦者に、体重増で瞬発力に欠ける王者。3本のベルトがかけられた最重量級のタイトル戦は、派手な打ち合いもなければスリリングなシーンもなく、ファンの期待を大きく裏切る退屈なものとなった。