MaaSバトルの行方 トヨタの狙いと「有力ライバル」の戦略

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   複数の交通手段を組み合わせる次世代移動サービスとして世界的に注目を集める「MaaS(Mobility as a Service)」が2019年11月28日、いよいよ日本でも本格的に始まった。第1弾の旗振り役を担うのは、やはりトヨタ自動車だ。まずは福岡市と北九州市を対象地域にして地元鉄道会社2社と組み、トヨタが開発したスマートフォン向けアプリを起点に交通に関わるさまざまなサービスを提供する。

   トヨタは両市を皮切りに他の地域でもサービスを展開していく方針で、この取り組みは「自動車をつくる会社」から「モビリティカンパニー」にモデルチェンジすると宣言したトヨタにとって試金石となりそうだ。

  • 「my route」サイトより
    「my route」サイトより
  • 「my route」サイトより

トヨタグループの決済アプリとも連携

   本格実施の前には、トヨタと西日本鉄道(西鉄)が2018年11月1日から福岡市で実証実験を行い、サービスの実用性の検証と機能改善を進めていた。西鉄は九州北部を中心に鉄道や路線バス、高速バスを運行している。実証期間の約1年間で、アプリが約3万件ダウンロードされ、利用後のアンケートでは利用者の約8割が「満足」と回答したこともあり、本格実施に踏み切った。本格実施には西鉄と競合するJR九州が新たに参加して、サービス提供エリアには北九州市が加わった。

   サービスの起点となるアプリの名称は「my route(マイルート)」。基本的な機能は、目的地までの公共交通(バス、鉄道など)、自動車(タクシー、レンタカーなど)、自転車、徒歩などのさまざまな移動手段を組み合わせてルートを検索して、利用者に選択肢を提示するというものだ。ルート検索エンジンは、ナビタイムジャパンの協力を得て開発した。タクシー配車アプリ「JapanTaxi」や、駐車場予約アプリ「akippa」などとも連携しており、さらにトヨタグループの「トヨタレンタカー」や、全国展開を始めたばかりのカーシェアサービス「TOYOTA SHARE」も移動手段として組み込まれ、検索の対象となる。

   マイルートでは、タクシー配車アプリで予約したタクシーの料金や、西鉄の路線バスや電車が一定区間で乗り放題となるデジタルフリー乗車券の代金をアプリ上で決済することもでき、その手段としてトヨタグループが提供を開始したばかりのキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet」とも連携を開始した。2020年に入ると「JR九州インターネット列車予約」や高速バスを予約できる「ハイウェイバスドットコム」との連携も予定しており、サービスを順次拡充させていく構えだ。

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