プロ野球「減額制限」超える年俸ダウン、実はOK それでも「選手にメリットも」の理由

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「減額制限の意味がないのでは?」との声が聞こえてきそうだが...

   選手の同意があれば契約が成立するのならば、「減額制限の意味がないのでは?」との声が聞こえてきそうだが、制限を超えた際にその意義を見出すことができる。

   減額制限を超えた年俸を選手が不服とし拒否した場合、自由契約選手になる「権利」が与えられる。これは移籍を前提とした他球団との交渉が可能になることを意味する。球団が減額制限内の減俸を提示し、選手がこれを拒否した場合、自由契約の選択肢はなく、球団の提示を受け入れるか、任意引退となる。

   任意引退は球団がその選手の保有権を持つため自由に他球団との交渉はできない。仮に選手が他球団への移籍を望んだ場合、前所属球団が許可するか、もしくは前所属球団が保有権を放棄しない限り不可能となる。任意引退選手が自由契約選手に切り替わった例でいえば、元日ハムの新庄剛志氏(47)が挙げられる。日ハムを任意引退した新庄氏は、現役復帰を目指すにあたり日ハムにその意向を伝え、申し入れが認められた。

   今オフは、嶋基宏捕手(34)が楽天から減額制限を超える減俸提示を受け、これを拒否して自由契約となりヤクルトに移籍。昨年は金子弌大投手(36)がオリックスから減額制限を超える減俸を提示され、受け入れずに日ハムに移籍した。このように減額制限が設けられることで、年俸が大幅ダウンした選手が球団に縛られることなく次なるステップへ向けて選択肢が増えるメリットもあり、選手の権利を守る側面を持っている。

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