自主営業「聞いたことない」異例の展開
保育園の運営会社に対し、都では、2018年10月の立ち入り調査で、職員勤務の書類がないなどと指摘し、その後も、保育士の1人勤務の時間帯が見つかるなどして、2度改善を求めた。しかし、運営会社から改善の報告書提出はされていなかった。
世田谷区の保育認定・調整課は12月2日、J-CASTニュースの取材に対し、同日に都の担当者とともに保育士らと打ち合わせをして、今後の対応を検討することにしたと話した。
これまでに保育園の閉園はいくつかあったが、計画的に行っているといい、急に閉園したケースはあまり聞かないという。保育士らの自主営業についても、聞いたことがないとしている。
介護・保育ユニオンの担当者は2日、解雇後も保育園に残って業務を続けることについて、憲法や労働組合法で権利が保護され、刑事や民事上の免責がある組合活動の一環であると取材に説明した。また、未払いの給料があることから、財産管理について、保育士らに労働債権者として優先権があるとした。
なぜ倒産したかなどの説明を運営会社に求めており、そのうえで、民事再生などを権利として求めていくとしている。
保育士らは現状、ボランティアとして働いている状態で、生活費を渡すためにもツイッター上などで寄付を募っている。
運営会社の代理人弁護士は3日、年内に自己破産手続きをしようと準備を進めていると取材に答えた。運営会社の資金繰りが悪化したことが理由だとしたが、閉園までの詳しい経緯については、まだ聞いていないとした。
保育園施設オーナーと運営会社との賃貸契約は、現時点では解除されていないという。ただ、オーナーは、支払いが滞っていることから解除を通知したい意向だといい、保育士らが自主営業を続けたい場合は、賃料支払いなどを迫られる可能性もある。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)