「桜を見る会」の招待者名簿の裁断日が、シュレッダーの予約日から2週間以上も遅れた理由について、安倍晋三首相は2019年12月2日の参議院本会議で「担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った」ためと述べた。
発言をめぐっては、「言い訳に障害者雇用の職員を持ち出し、まるで障害者のせいにした」などと批判が相次いでいる。内閣府に見解を問うと...。
米山隆一氏「合理的理由とはなりえない」
今年4月の「桜を見る会」の招待者名簿は、同月22日にシュレッダーの予約がされたものの、実際に裁断されたのは5月9日だった。
報道によれば、この日は共産党の宮本徹衆院議員が国会質問に向けて資料請求をした日で、シュレッダーが使われた時間(13時20分~14時45分)は、請求の約1時間後だった。
安倍首相は12月2日の答弁で「シュレッダーの空き状況や担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った結果、使用予定日が5月9日となった」とし、宮本氏の資料請求とは「まったく無関係であるとの報告を受けております」と関係性を否定した。
答弁はSNS上で注目を集め、「障害者」に触れた点が議論を呼んでいる。
「到底事実とは思えませんが、仮に事実であったとして、殊更に『障害者雇用』を示す必要は皆無で、最低最悪の言い訳と思います」「障害者雇用だとしても、資料要求の1時間後にスケジュールされる合理的理由とはなりえない」(前新潟県知事の米山隆一氏)
「言い訳に障がい者雇用の職員を持ち出し、まるで障がい者のせいにした。断じて許せない」(社民党の又市征治党首)
内閣府の見解は?
内閣府人事課は3日、J-CASTニュースの取材に、シュレッダー業務は手が空いている職員が担当し、今回は障害者雇用の短時間勤務職員だったという。
「勤務時間の調整」について具体的な説明を求めると、「内閣府の中に高性能なシュレッダーは一台しかなく、予約が集中している中で、その方が勤務時間の中で予約が取れる時間となると、例えば15時までの勤務であれば、15時以降が空いていてもその方は対応できない。なので、勤務時間の中でその方の業務を調整した結果、5月9日のそこであればその方が対応できたということです」
わざわざ「障害者」を持ち出した理由は、野党議員がシュレッダーを視察した際、「高性能なのに予約時間が長すぎる」との旨の追及を受け、菅官房長官が「対応したのが障害者の方だったので一般の方より処理速度が遅れる」との回答をしたためだとする。