ツイッターやフェイスブックへのアクセスが遮断されている中国で、中国外務省が「ツイッター外交」に乗り出した。報道官のツイッターアカウントが開設され、記者会見の様子を伝え始めたのだ。
「仕掛け人」だとみられるのが、20万人以上もフォロワーを抱える外交官。香港問題などで中国政府への批判が高まるなか、自国の主張を拡散させる狙いがあるとみられる。
フォローしているアカウントは中国の在外公館、外交官など
中国では、グレート・ファイアウォール(金盾)の異名で知られる巨大システムを使ってツイッターやフェイスブックへのアクセスを政府が遮断している。VPN(仮想プライベートネットワーク)などを使って接続する人もいるが、その規制も強化される一方だ。そんな中でのツイッター参入だ。
報道官アカウントのプロフィールによると、アカウントは19年10月に開設され、12月3日13時時点で5回ツイートされている。12月2日に行われた定例会見の様子が中心で、英語に吹き替えられた動画と短い文章で伝えている。
この日の会見では、米国で「香港人権・民主主義法」が成立したことについて、華春瑩報道局長が「国際法と国際関係の基本原則に著しく違反し、中国に対する重大な内政干渉だ」などと批判。ロンドン中心部で起きた死傷事件への受け止めを聞かれると、英国民へのお悔やみを述べたのちに
「こういったことが中国で起きたら、英米のメディアはどう報じるのか。先例からすると、犯人を『抑圧と戦う人』、警察については『暴力を過剰に使った』となるのではないか」
「テロリズムはすべての国にとっての課題だ。テロリストに国籍、宗教、性別、年齢は関係なく、テロ対策にダブルスタンダードはあるべきではない」
などと主張した。
フォローしているアカウントの数は55。中国の在外公館や、そこで勤務する外交官のアカウントが大半で、ツイッターの認証マークがついているものも多い。