年末恒例の「『現代用語の基礎知識』選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2019年12月2日に発表された。年間大賞には、日本中を熱狂の渦に巻き込んだラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM」が選出された。
「前向きなウキウキする現場で口にされることを願うばかり」選考委員の女優・室井滋さん
同賞は、本年度で36回目。「現代用語の基礎知識」(自由国民社)編集部調査をもとに、ノミネート30語を選出し、その中から選考委員会が10語を選定している。トップテンは以下の通り(五十音順、受賞者か受賞団体)。
■計画運休=国土交通省
■軽減税率=秋葉弘道氏(有限会社「アキダイ」代表取締役社長)
■スマイリングシンデレラ/しぶこ=渋野日向子氏(プロゴルファー)
■タピる=たぴりすと。華恋氏、たぴりすと。奈緒氏
■#KuToo=石川優実氏(アクティビスト)
■○○ペイ=PayPay株式会社
■免許返納=免許返納された全ての人
■闇営業=FRIDAY編集部
■令和=御田良知氏(坂本八幡宮 宮司)
■ONE TEAM(年間大賞)=ラグビー日本代表チーム
選考委員である女優の室井滋さんは、
「気候変動や高齢者の運転トラブル、消費税アップに付随する言葉が選評会ではズラリ並んだ。毎年流行る連続ドラマやお笑いのフレーズはなく、『闇営業』ばかりが目立ってしまったのも寂しい限りだ。日本中の人が心躍らせたラグビーワールドカップ関連用語や全英女子オープンを制した『しぶこ』などがせめてもの救い。『ONE TEAM』が今後も前向きなウキウキする現場で口にされることを願うばかりだ」
とコメントしている。
多くの犠牲を払ってきたからこそ日本代表は「家族」になった
W杯前の1年間で約240日にも及ぶ強化合宿を行ってきた日本代表。家族よりも長い時間をチームで過ごし、その中で、セレクションから落ちた選手もいた。また代表に選ばれてもジャージに袖を通すことができず、ひたすら水係(ウオーター・ボーイ)に徹した選手もいた。だが、誰1人、文句を言わなかった。自己犠牲とも言える精神が、背番号を背負ってピッチに立つ選手たち、そしてファンに大きな勇気を与えたことは間違いない。
2023年まで契約延長となったジェイミー・ジョセフHC(ヘッド・コーチ)が、ロッカールームで出陣前の選手たちに語った言葉も印象的だった。
No one thinks we can win (誰も勝てると思っていない)
No one thinks we can even close (接戦になるとさえ思っていない)
No one knows how hard you've worked (でも誰もどれだけハードワークをしてきたか)
No one knows how many sacrifices you've made (どれくらいの犠牲を払ってきたか知らない)
You know you're ready (やるべきことはわかっている)
さまざまな苦境、辛さ、痛み...。それらを乗り超えてきたからこその「ONE TEAM=家族」を誇らしく思い、心から敬意を表したい。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)