トヨタのキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)」が始まった。
日本を代表する自動車メーカーが、キャッシュレスに進出――。それだけでも注目に値するが、このサービスのポイントは、他社技術を活用している点にある。
「iD」と「Origami Pay」、「銀行Pay」が使える
TOYOTA Walletはトヨタ自動車、トヨタファイナンシャルサービス、トヨタファイナンスの3社によるもの。「お客様の日常決済の利便性向上ならびにモビリティ社会の基盤づくりに貢献するプラットフォーム」と位置付けて、2019年11月19日からiOS版先行で開始した。Android版は20年2月以降にリリース予定だ。
使える電子マネーは、プリペイド型(前払い)の「TOYOTA Wallet 残高」、クレジット型(後払い)の「TOYOTA TS CUBIC Origami Pay」、デビット型(即時引き落とし)の「銀行Pay」の3種。他社と比べて珍しいのが、これら3タイプごとに、使える加盟店が異なることだ。
プリペイドは、三井住友銀行と三井住友カードの協力を受け、リーダーにかざして決済する「iD(アイディー)」を採用。同じくかざすタイプの「Mastercardコンタクトレス」導入店のほか、ネットショッピングなどの国内ECではマスターカード加盟店でも使える。「銀行Pay」はGMOペイメントゲートウェイが基盤システムを持つが、今回は三井住友銀行がこれを活用した「事業者型Pay」によって導入する。
「TOYOTA Wallet」が、これまでのキャッシュレス決済と違う点は、他社サービスをひとつにパッケージングして、自社ブランドを冠していることにある。公式サイトでも、複数決済をまとめて入れられることを打ち出し、日本でも世界でも使える「お金の乗りもの」だとしている。