ポルシェが満を持して送り出す初EV 「タイカン」はテスラのライバルになるか

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   独ポルシェの日本法人、ポルシェジャパンが、ポルシェ初の電気自動車(EV)「タイカン」の予約注文の受付を開始した。2020年9月から納車の予定という。

   ポルシェが満を持して発売するタイカンのパフォーマンスとは、一体どれくらいなのだろう。

  • ポルシェ初のEV「タイカン」(プレスリリースより)
    ポルシェ初のEV「タイカン」(プレスリリースより)
  • ポルシェ初のEV「タイカン」(プレスリリースより)

スペック面で比較すると...

   2019年11月20日に注文受付を始めたポルシェタイカンは、トップモデルの「ターボS」の最高出力が560kW(761PS)で、静止状態から時速100キロまでの加速は2.8秒。最高出力500kW(680PS)の「ターボ」は3.2秒となっている。

   両モデルともリチウムイオンバッテリーの容量は最大93.4kWhで、航続距離はターボSが412キロ、ターボは450キロとなっている。最高速度はいずれも時速260キロだ。

   これに対し、米テスラのトップモデル「モデルS」の0→100キロ加速は2.6秒と、タイカンよりも速い。最高速度は時速261キロと互角だが、航続距離は610キロと長い。この違いはバッテリーの容量だろうが、テスラはモデルSのバッテリー容量を公表していない。

   タイカンには最高出力390kW(530PS)と420kW(571PS)の「4S」と呼ばれるモデルもあり、高出力バージョンの0→100キロ加速は4.0秒、最高速度は時速250キロとなっている。

   こちらの性能も、テスラの普及モデル「モデル3」の0→100キロ加速3.4秒、最高速度261キロに及ばない。航続距離はタイカン4Sの最大463キロに対して、テスラモデル3は560キロだ。タイカン4Sは標準装備の容量79.2kWhとオプションの93.4kWhのバッテリーを選ぶことができる。テスラはモデル3のバッテリー容量を明らかにしていない。

   タイカンの日本での販売価格は未定だが、ドイツでは10万5607ユーロ(約1267万円)からとなっている。テスラはモデル3のスタンダードレンジプラスが500万円台、パフォーマンスが700万円台と、タイカンに比べると割安だ。

   ポルシェタイカンもテスラも前輪と後輪をそれぞれモーターで駆動するデュアルモーターAWD(4輪駆動)である点は共通している。

「ポルシェは常にポルシェ」

   EVで後発のポルシェが、この分野で先行するテスラを走行性能の数値で追わなかった理由は分からない。カタログ数値では、わずかにテスラを下回るタイカンだが、実際の走りはどうなのか。

   ポルシェの研究開発担当役員のミヒャエル・シュタイナー氏は「フルエレクトリックであっても、ポルシェは常にポルシェだ。これまでのポルシェ製品がそうであったように、タイカンはテクノロジーとドライビングダイナミクスのみならず、世界中の人々の情熱を刺激する魅力的なスポーツカーだ」と語っている。

   筆者はテスラモデル3を500キロほどドライブした経験があるが、機会あらば、ぜひタイカンと比較テストしてみたい。

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