「週刊少年ジャンプ」連載のマンガ「鬼滅の刃」のフィーバーが止まらない。
2016年11月に連載開始した本作は、19年秋に好調だったアニメ放映が終わってからも期間限定のグッズフェアにはファンが殺到、ジャンプ本誌付録を求めて本誌売り切れが続出するなど、作品の勢いはとどまるところを知らない。
4~9月のアニメが引き金に
「鬼滅の刃」は大正時代を舞台にした和風アクションコミックというべき作品。単行本は19年11月現在で17巻を数え、メディアミックスも4月~9月放映のアニメ、20年1月~2月の舞台版と好調だ。昨今の人気について集英社広報部はJ-CASTニュースの取材に対し11月20日、「主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)をはじめとする魅力的なキャラクターや、人と鬼が織りなす独特の世界観などで人気作品となりました。2019年4月からスタートしたテレビアニメの影響もあってさらに人気は高まっております」と回答、同社でも19年放映のアニメが一つの引き金になったと認識している。
11月8日から17日にかけてに全国のジャンプショップで行われた「鬼滅の刃フェア・リターンズ」は、初日の11月8日からファンがジャンプショップに詰めかけ、少なくない混乱が生じたことはすでにJ-CASTニュースも報じたが、本作の人気を裏付けるような出来事はこれにとどまらない。
11月11日発売の「ジャンプ」50号には、付録として「『鬼滅の刃』ゆるシール」を収録。登場人物がゆるキャラ風に描かれたシールが付録になっていたが、これを求めてジャンプが売り切れとなる書店も多く出た。
既刊すら入手困難
単行本も今や入手困難なほどで、10月4日発売開始の17巻は全国の書店で完売が続出、また12月5日発売開始予定の単行本18巻についても初版だけで100万部の発行が決定。 集英社によれば、これにより単行本累計発行部数は2500万部(電子版含む)を突破する見込みだ。9月時点の同社調べでは累計1200万部(同)だったので、わずか2か月で2倍以上に達するブームとなっている。
発行部数のデータだけでなく、ネット上のファンの声なども人気を裏付けている。 「単行本が最新刊以外完売してた」「近所の本屋全てまわったけど全滅」「アニメイトも漫画全巻完売、グッズほぼ売り切れ...」などのファンの感想がツイッターに投稿されている。
実際マンガ・アニメとその関連グッズを多数取り扱っているアニメイトでも、立川店(東京都)のツイッターアカウントが11月下旬現在「鬼滅の刃のグッズ入荷してもすぐに完売しちゃうのおおおおおおおお!!!!!!」とプロフィール欄で呼びかけており、供給が追いつかない状況をうかがわせる。J-CASTニュースの取材に対してもアニメイトは、「弊社でも『鬼滅の刃』は非常に人気で、最新刊だけではなく既刊や関連書籍まで手に取る方が増えました」と答え、最新刊・既刊ともに商品がなくなる店舗もあり、追加の納品をしているという。既に100万部の発行が決定している18巻も、人気を見るとファンのニーズに追いついているかの保証はない。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)