最近話題の「BRT」って、結局何なの? JR気仙沼線の一部などで鉄道から転換

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   JR東日本は12日、宮城県と岩手県を走るJR気仙沼線、JR大船渡線の一部区間の鉄道事業の廃止を決定した。廃止となる区間は東日本大震災により甚大な被害を受け、BRT(バス・ラピッド・トランジット)により運行されている。

   ところで「BRT」とは何だろうか。今回は筆者の乗車経験を基にBRTを解説したい。

  • JR大船渡線、気仙沼線の略図
    JR大船渡線、気仙沼線の略図
  • 大阪市内を走るいまざとライナー
    大阪市内を走るいまざとライナー
  • JR大船渡線、気仙沼線の略図
  • 大阪市内を走るいまざとライナー

鉄道からBRTへの転換

   JR東日本は12日、気仙沼線柳津~気仙沼間、大船渡線気仙沼~盛間の鉄道事業の廃止を国土交通省に提出し、2020年11月13日の廃止を予定している。

   廃止となる区間は2011年の東日本大震災により甚大な被害を受けた。気仙沼線は2012年8月から、大船渡線は2013年3月からBRTによる運行を開始。鉄道事業廃止後もBRTの運行は継続される予定で、鉄道からBRTに転換される。鉄道事業廃止の理由としては鉄道復旧にかかるコストや乗客減が挙げられる。

   そもそも「BRT」と聞かれてパッとイメージできる方は少ないのではないだろうか。BRTは「バス・ラピッド・トランジット」の略称だ。国土交通省のホームページでは「連接バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時制の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム」と説明されている。つまり、バスを何かしらの形で発展させたのがBRTと考えていいだろう。

実際に乗ってみて感じた、「説明」の大切さ

   気仙沼線と大船渡線のBRTはバス専用道路を備えている。しかし、すべてのBRTがバス専用道路を備えているわけではない。たとえば大阪市内を走るBRT、いまざとライナーだ。

   いまざとライナーは地下鉄今里~地下鉄長居間の長居ルートと地下鉄今里~あべの橋間のあべの橋ルートから成り立っている。ルートはOsaka Metro今里筋線延伸区間(今里~湯里六丁目)を基本としている。運行時期は2019年4月1日から5年程度を予定している。

   筆者は以前、あべの橋からいまざとライナーに乗車した。あべの橋停留所は大阪シティバスが運行する一般バスとの共用で、使用される車両もバスそのものだ。一般バスとの大きな差異は停留所の間隔だ。一般バスは400mおきに停留所が設置されているが、いまざとライナーは地下鉄並みの1km間隔に設定。そのため、停留所を次々と通過し、一般バスを追い抜いた。一方、一般道を走行するため、渋滞に巻き込まれるシーンも見られた。

   筆者の中で「BRT=バス専用道路」というイメージがあっただけに「BRT」と言っても様々な種類がある、ということを再確認した。BRTの導入にあたっては一般バスとの明確な差異を地域住民に丁寧に説明する必要性を感じた。

(フリーライター 新田浩之)

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