特任准教授問題、東大が学生に謝罪メール 「注意指導繰り返すが削除されず」「到底許容できない」

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   東京大学は2019年11月28日、同大大学院情報学環・学際情報学府の特任准教授がSNSに複数の不適切な書き込みをした問題を受け、学生に宛てたメールを公開した。

   メールには、学府長名義で「今後もみなさんが安心して勉学に取り組めるよう、適切かつ厳正な対応をできるだけ早くとってまいります」などと綴っている。一方、当人は「『数のテロリズム』に屈するつもりはありません」といった主張を続けている。

  • 大澤氏のツイッターより(編集部で一部加工)
    大澤氏のツイッターより(編集部で一部加工)
  • 大澤氏のツイッターより(編集部で一部加工)

東大は24日に謝罪

   書き込みをしたのは、大澤昇平特任准教授(31)。AI(人工知能)開発を行う「Daisy」の経営者でもある同氏は11月20日、ツイッターで「弊社 Daisy では中国人は採用しません」「中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えないっすね」などとツイートしていた。

   投稿は物議をかもし、東大は24日に「あらゆる形態の差別や不寛容を許さず、すべての人に開かれた組織であることを保障いたします」と表明した上で「たいへん遺憾に思い、またそれにより不快に感じられた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   大澤氏はその後、「これは個人に帰属するアカウントで行った私企業に関する発言であり、東大の思想を代表したものではありません」「俺にはもともと中国人への差別意識はなく(中略)AIの分析により得られた『区別』であって、差別じゃない」「人物属性を考慮に入れることが不当なのであれば、企業の書類選考はすべて不当ということになります」などと弁明。

   寄せられた批判については「不当な『数のテロリズム』に屈するつもりはありません」と考えを変える意向はないとした。

「私自らが断固として差別と闘うことを表明するメッセージとはなっていませんでした」

   東大は28日、ふたたび学府長名義で声明を出した。24日の表明では「私の大切な学際情報学府の学生たちの気持ちに寄り添い、学環・学府長として私自らが断固として差別と闘うことを表明するメッセージとはなっていませんでした」と説明が不十分だったとして、26日に学環・学府の全学生宛てにメールを送っていたと明かした。本文は次の通り。

学際情報学府の学生の皆さん
SNS上において、情報学環の大澤昇平特任准教授による不適切な書き込みがありました。これには特定の国籍または民族による差別が含まれており、学環学府として到底許容できるものではありません。これらの書き込みは、学環学府や東京大学の信用と構成員のみなさんの心を傷つけたものと思います。学環学府の責任者として、深くお詫び申し上げます。東京大学は学問の府として、東京大学憲章に基づく倫理を守り、いかなる種類の差別も認めない方針で教育・研究活動をおこなってきました。それにも関わらずこうした事態となったことを本当に残念に思います。問題発覚後、書込みの削除を含む注意指導を繰り返しおこなっていますが、まだ削除されておりません。今後もみなさんが安心して勉学に取り組めるよう、適切かつ厳正な対応をできるだけ早くとってまいります。
情報学環長・学際情報学府長
越塚登
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