アメリカンイーグル撤退を支え切れるか 青山商事「本業」スーツの厳しい先行き

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カジュアル事業やネット展開で活路拓けるか

   直近の月次のビジネスウエア事業の既存店売上高も厳しい。8月に今年3月以来、5カ月ぶりの前年同月比プラスを記録したが、プラスとはいえわずか0.2%。低温続きだった7月に比べて気温が上昇し、クールビズ商品の需要が増えたためで、客単価下落率は7月(4.6%減)より低い8.3%減だった。9月は消費税率引き上げを控えた駆け込み需要で既存店売上高は3.0%増だったものの、10月はその反動減もあって27.9%減と深い谷を刻んだ。

   こうした傾向を裏付けるように、メンズスーツの販売着数は2017年9月中間期75.6万着、2018年9月中間期71万着、2019年9月中間期65.2万着と右肩下がりになっている。青山商事としては、メンズスーツが従来のようには売れない要因の一つを「オフィスウェアのさらなるカジュアル化などによる市場環境の変化」ととらえている。そもそも生産年齢人口が減っていることに加えて、IT関連企業など普段からスーツを着用しない会社が増え、また、従来型企業にあってもカジュアル化は確かに進んでいる。

   株価は敏感に反応し、11月8日の下方修正発表の翌営業日11日の株式市場で一時、前週末終値比3.4%(66円)安の1885円をつけた。当日高値が前営業日安値を下回る「窓を開ける」節目のチャート図を描いた。この11日から22日まで10日続落し、10日間の下げは17%(333円)を記録した。その後はやや回復しているものの、27日時点でも1600円台を脱出できていない。

   ただ、アメリカンイーグル事業の損失処理がなければ赤字転落はなかったとみられる。消費税率引き上げの谷を越えた先に、カジュアル事業やネット事業などでいかに効果的な次の一手を打てるかを市場が注視している。

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