東京女子学園中学校(東京都港区)が2020年2月の入学試験の一部で、スマートフォンの持ち込みを許可する。
試験では、一風変わった問題で論理的思考力を測る。
アンパンマンのぬいぐるみの数は?
東京女子学園中の20年度一般入試では、算数の科目でスマホの持ち込みを許可する。同校の19年11月21日の発表によると、「日本初」としている。
試験は校内の図書館で実施し、試験中にスマホや図書資料を参考にできる。希望者にはタブレットを貸与する。外部とのやりとりや問題の発信のみ禁止する。
例題として、以下の2問が公開されている。
(1)(日本アイスクリーム協会が公表する統計情報を参考に)アイスクリームを食べる量と気温の関係はどのような関係にあるでしょうか
(2)日本中にアンパンマンのぬいぐるみは何個あると思いますか。資料にあたり、みなさんの考えを、言葉と式を使って表してください。
そのほか、検索エンジンを適切に利用できるかなどITスキルを問う問題も想定する。
評価のポイントは?
東京女子学園中・広報部長の立原寿亮さんは11月26日、J-CASTニュースの取材に、スマホの使用を認める背景に情報環境の変化があると説明した。
「今までのテストで測っていた知識や技能は、これからAIなどのテクノロジーが代替していくと思います。そこで重要なのは、知識の細かさや量だけではなく、情報をどう得るか、どう活用するか、どう学ぶかなどです。学校としてもそれは育むべき課題とらえています」
同校では、情報端末を「文房具」の延長と位置付けており、授業では積極的にタブレットを活用している。
前述の例題は、大人でも回答に窮しそうだ。評価のポイントを聞くと、
「特にぬいぐるみの問題は答えが定まらないですよね。もちろん出荷数を調べればわかるかもしれないですが、確実な唯一の答えを求めたいのではなくて思考のプロセス、つまりなぜそういう結論を出したのかという過程を見たいです」(立原さん)