ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は2019年11月25日午前、皇居を訪れて天皇陛下と会見した。天皇とローマ教皇による会見は、上皇ご夫妻が在位中の1993年にローマを訪問し、故ヨハネ・パウロ2世と会見して以来26年ぶりで、天皇陛下がフランシスコ教皇と会見するのは初めて。
このように、両者による会見はきわめて珍しく、バチカンのメディアも特別な機会として受け止めたようだ。
天皇陛下はスペイン語であいさつ
宮内記者会に加盟する各社が宮内庁の話として伝えたところによると、天皇陛下は宮殿の南車寄せに到着した教皇を出迎え、笑顔で握手を交わした上で「日本へようこそ。お目にかかれてうれしく思います」などと、教皇の母語のスペイン語であいさつ。着席しての会見は約20分間に及び、核廃絶、天皇陛下がライフワークとする水問題などが話題になったという。
バチカンのメディアも天皇陛下との会見を報じている。バチカンが運営するニュースサイト「バチカン・ニュース」では、
「日本メディアは、天皇が教皇を見送った様子にも言及した。通常、訪問客は随行員とともに出発し、天皇は建物にとどまったままだ。フランシスコ教皇に対する特別待遇の表れだとの指摘が出ている」
と報じている。
カトリックと「若干の家族関係」
「日本メディア」が具体的に何を指すかは明らかではないが、テレビ朝日は「教皇が宮殿から出る際も車寄せまで見送りに出られたということです」と報じているほか、バチカン・ニュースが配信した動画には、天皇陛下が教皇を車寄せで見送る場面が収められている。
更に同ニュースは、「天皇にはカトリックと若干の家族関係がある」とも指摘。上皇后さまの実家の正田家が代々カトリックだったことや、上皇后さまがカトリックの聖心女子大を卒業したことに触れた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)