オートバイ用ヘルメットの「JIS認証取り消し」いったい何が OGKの一部商品...「管理運営用の不備。安全性、品質に問題ない」

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   オートバイ用ヘルメットメーカー大手「オージーケーカブト」の一部商品について、日本産業規格(JIS)の認証が取り消されていたことが分かった。

   ネット上では、「自分のは大丈夫なのか」などと不安の声も出ているが、同社では、「管理運営上の不備あったが、安全性、品質に問題はない」と説明している。

  • JIS認証取り消しを発表(経産省のサイトから)
    JIS認証取り消しを発表(経産省のサイトから)
  • JIS認証取り消しを発表(経産省のサイトから)

「ヘルメット買ったばっかりなんだが...」

「これは驚いた」「ヘルメット買ったばっかりなんだが・・・」「影響は出るだろうなぁ」...

   JIS認証取り消しについて、経産省が2019年11月25日にサイト上で発表すると、ツイッター上などでは、こんな声が続出した。

   発表によると、JISマークの認証機関である日本車両検査協会が10月25日、臨時審査を行ったところ、「長期間にわたり製品の組み立て場所に係る記録が適切に記載されていなかったことを確認」した。「その内容が重大であると認められた」として、協会が11月25日付で認証を取り消し、経産省にも報告された。

   ただ、同じ日に追記があり、協会が行った試験の結果、「製品の安全性や品質については、JIS規格を満たしており、問題がない」ともした。

   同社の製品は、オートバイ愛好者らから「OGK」などの愛称で呼ばれ、ヘルメットでは、SHOEIやアライの製品とともに広く知られている。そんなブランドに、一体どんな問題があったのだろうか。

   日本車両検査協会の安全技術部は26日、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。

「5年前の認証当時から、一部の工程で記録の不備がありました。短期間であれば、是正措置だけになることもありますが、長期に渡っていましたので、重大だと判断しました」

「JIS 適合が疑わしい」との情報が経産省に寄せられ

   オージーケーカブトには、大阪本社の工場と中国・青島(チンタオ)の工場があるが、今回は、大阪の工場だけが審査の対象になったそうだ。中国の工場で作られた製品は、JIS認証になっている。取り消しの主な製品は、自転車や四輪の製品ではなく、オートバイ用ヘルメットになるとした。

   ただ、JISは、任意のマークになるので、取り消しの結果、公道やレースでヘルメットを着けられなくなることはないとしている。認証機関の1つである日本車両検査協会では、取り消しは初めてのケースだという。

   経産省の国際標準課は11月26日、内部告発ではないものの、「JIS適合が疑わしい」との情報が1、2か月前に寄せられ、事実関係を確認するよう協会に依頼したと取材に説明した。

   25日に取り消しの事実を発表した後、ツイッター上などで騒ぎになり、広報室から直すように言われて、追記で分かりやすく説明することにしたそうだ。認証機関での取り消しは、時々はあるとしている。

   オージーケーカブトの営業担当者は26日、オートバイ用ヘルメットは、中国の工場が主力だが、大阪の工場でも一部商品を作っていると取材に話した。

   なぜ長期にわたって組み立て場所を記録していなかったのかについては、「管理運営上の不備です」と説明し、同社のサイト上にも同日昼過ぎに同様な内容のお詫び文を出した。JIS認証にコストがかかるといった理由ではないとも言う。

   製品の販売に必要なPSCマークや安全規格のSGマークについては、問題ないとした。「まず社内の管理を強化し、JIS認証の取り直しなどは今後考えます。現在販売中の商品は、安全性や品質には問題ありませんので、安心してご利用になってほしいと思っています」と話している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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