安全のための人員配置基準は
列車と乗客の安全確保ための人員の配置基準について、J-CASTニュースがJR東日本東京支社と東京メトロに取材すると、JR東日本東京支社では終日4~5人の警備員をホームドア設置工事中のホームに配置しているとのこと。ホームのカーブや編成長などによってはこれより増員する場合もあるとし、さらに11月22日の上大岡駅事故を受けて「黄色い点字ブロックの内側までお下がりください」という旨の張り紙をホームに掲示すると答えた。
2025年度までに全駅でのホームドア設置を目指す東京メトロでも、警備員により列車進入時の線路内の安全確認と、発車時のホームドア筐体と列車の間の安全確認を目視で行っていると答えた。警備員の配置基準は、目視可能範囲を考慮し「3両に1人を基本として配置しております」とのことである。東西線・半蔵門線などの10両編成であれば、3人程度が配置されて安全を確認していることになる。東京メトロでも上大岡駅の事故以来、「警備会社には一層の安全確保についてのお願いをしております」という状況だった。
では、死亡事故が起きてしまった京急電鉄の場合はどうだったか。上大岡駅の他、京急川崎駅でもホームドア設置工事を進めている京急での安全対策を聞くと、
「上大岡駅では7時頃から23時頃までの時間帯に1ホーム2名の警備員を配置していました。事故時間帯はホームに警備員はおりませんでしたが、終車時間帯のため駅係員はいたと思われます」
との回答だった。また警備員の配置基準は駅ごとに異なるとも答えた。京急の列車は朝ラッシュ時は最長12両編成で、その他の時間帯も乗客の多い快特やエアポート急行は大半が8両編成で運転される。警備員1人あたり4両前後を監視しなければならない局面が多かったようだ。事故後増員などで安全対策を強化するかどうかについては、京急は11月25日の取材時点では未定だと答えている。
11月22日の死亡事故については、報道されている限りでは警備員や駅係員の有無が事故に直結したかは不明。しかしホームドア設置工事が始まったからといって乗客の方も油断してはいけないことを認識し、また鉄道会社側もホームドア稼働前には現状以上の安全対策が望まれるだろう。
(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)