MLB指導者が増える理由
現在、台湾にはプロ球団が5チームある。学生などのアマチュア選手がプロを目指すことになるが、最近は若いトップアマがMLBに流出する傾向にあるという。そしてMLBでメジャー入りを果たせなかった選手が台湾球界に戻ってくるケースが増えており、そのほとんどが英語を話す。MLB流の指導を受けた若手の能力をより伸ばすという理由で、MLBの指導者が台湾の球団に招かれるようになったという。
前出の関係者は、川崎が台湾球界で歓迎される理由を3つ上げた。
「まず1つに、日本スーパースターが台湾の球団に入るということは、そのチームの権威も上がります。久々に球界に復帰した味全にとってはかなりのインパクト、効果があると思います。もうひとつはやはりメジャー(マリナーズ、ブルージェイズ、カブス)でプレーした経験値です。メジャー流の指導が主流になりつつある台湾において、メジャー経験者は貴重な存在です。本人もコーチを兼任していることもあって、遠慮することなく選手に指導しています」(関係者)
そしてもうひとつは川崎の「性格」にあるという。川崎は練習のアップ時から自ら大きな声を発してチームのムードメーカーとなっている。練習中には「元気でいこう」と日本語でチームを盛り上げているという。味全の練習では、中国、英語に加えて川崎が発する日本語が飛び交う。また、フライを捕球する際には「自分が捕る」という意味を持つ英語の「I got it」が共通で認識されているという。