巨大メディア企業としての「ヤフー×LINE」 経営統合で生まれるコングロマリットの全貌

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動画は「短尺」「ドラマ・映画」「ライブ配信」の三本柱

   より動画に力を入れている印象があるのは、ヤフーだ。Yahoo!JAPANは直近の媒体資料で、現状500本/月の動画を7000本に「大幅拡大」すると明言。その一方で、新たなクリエイターの発掘にも取り組んでいる。18年秋に始まった「クリエイターズプログラム」は、ブロガーやインフルエンサー、YouTuberらが動画コンテンツを投稿できるプラットフォームだ。19年5月現在で、クリエイターは約300人、累計7000本超。動画は長くても10分前後で、多くは1~2分前後の「短尺動画」だという。

   またヤフーは09年、自社動画サイトを「GYAO!」(05年開始、当初はUSENグループ)に統合。ドラマやアニメ、映画などを配信している。運営会社の株主にはヤフーに加え、電通や博報堂DYパートナーズ、民放テレビ各局が並び、18年夏からは元SMAPの木村拓哉さんをCMキャラクターに起用して、より認知向上に努めている。

   そしてLINEは、ライブ動画配信サービス「LINE LIVE」(15年開始)を持っている。スナック感覚で楽しめる「短尺」と、作りこまれた「ドラマ・映画」、そして時間を共有できる「ライブ配信」の3パターンで、生活習慣に合わせて動画コンテンツを消費できるようになっている。

   ヤフー・LINE連合は、出版もカバーしている。そもそも、ZHDの源流であるソフトバンクは、祖業のひとつに出版がある。日本ソフトバンク(当時)は創業翌年の1982年、パソコン雑誌「Oh!PC」「Oh!MZ」を創刊。両誌は2000年までに休刊(事実上の廃刊)されたが、出版事業はソフトバンク パブリッシング(現在のSBクリエイティブ)に引き継がれ、「SB新書」や、ライトノベルの「GA文庫」などの発行を続けている。

   電子書籍ストア「ebooksjapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンは東証1部上場企業でありながら、ヤフーが43.92%の株式(19年9月30日現在、四半期報告書より)を持っている。00年創業の同社は、Amazonの「Kindle」が上陸する以前から、日本の電子書籍業界を牽引してきた。16年にヤフー傘下に入り、現在は「bookfan」のブランドでも、電子ではない紙書籍のオンライン販売を行っている。

   LINE陣営には、電子書籍サイト「LINEマンガ」がある。19年4月25日付のプレスリリースによると、国内での累計ダウンロード数は、開始6年で2300万。250社以上の出版社・レーベルを通じて、38万点以上の作品を配信しているという。

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