巨大メディア企業としての「ヤフー×LINE」 経営統合で生まれるコングロマリットの全貌

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ユーザーの声を拾う「まとめ」と「知恵袋」

   著名人ではない、いわゆる「街の声」をとりあげる仕組みも用意している。口コミやレビュー、Q&Aサイトなどユーザー参加型のメディアをCGM(消費者生成メディア)と呼ぶが、そのひとつがLINE子会社のネクストライブラリが運営する「NAVERまとめ」(09年開始)だ。ネット上の情報をユーザーがまとめて紹介(キュレーション)できるサービスで、19年8月時点で約4800万UB(ユニークブラウザ=ブラウザごとの訪問者数)としている。なお17年7月29日付プレスリリースの時点では、月間約20億PV、約6700万UBだった。さらに過去のリリースを見ると、13年12月は21億、14年6月は23億PVとなっている(14年7月29日付)。

   キュレーションをめぐっては16年秋、医療情報を扱う「WELQ」(DeNA運営、すでに閉鎖)の情報精度や著作権処理が問題視され、各社が対応を迫られた。NAVERまとめも著作権管理システムなどを導入するなどの対策をはかったが、少なくともUB数については、大きな影響が出たものと思われる。

   Q&Aサイトでは「Yahoo!知恵袋」(04年開始)が、19年春時点で質問が約2億件、回答総数が約5億件という(4月24日付コーポレートブログより)。ライバルの「OKWAVE(オウケイウェイヴ)」が3600万件以上、「教えて!goo」(NTTレゾナント運営)が約800万件と公称していることから、その強さが読み取れる。

   口コミサイトでは、ヤフー子会社のカービューが運営する「みんカラ(みんなのカーライフ)」が月間約3億5000万PV(18年10~12月の平均値)。メンバー登録数は100万人を超えるとしている。ひとつのジャンル(自動車)に特化したSNSを持つのも、ヤフーの長所といえそうだ。

   一方のLINEは、ブログが強みだ。「livedoor blog」(03年~)と、「LINE BLOG」(14年~)の2ブランドで展開している。これらに加えて、Yahoo!ニュースの記事に付いているコメント機能(通称ヤフコメ)もまた、広義のCGMと呼べるだろう。

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