巨人の契約更改が若手選手を中心に始まった。今シーズンは5年ぶりにリーグ優勝を果たし、球団による「ご祝儀」が期待されるなか、注目を集めるのがC.Cメルセデス投手(25)だ。今シーズン、ローテーションの一角を担ったメルセデスは来シーズンも巨人に残留する見込みで、さらなる飛躍が期待されている。
CSファイナルステージでも存在感を
1億円プレイヤーが顔を揃える巨人の投手陣において、メルセデスの今シーズンの年俸は1000万円にも届かない860万円(金額は推定)。昨年はシーズン途中に支配下登録を勝ち取り、ローテーション入りを果たして5勝をマーク。チームのクライマックスシリーズ(CS)進出に大きく貢献した。
今シーズンは開幕からローテーション入りし、22試合に先発して8勝8敗、防御率3.52の成績を残した。クオリティ・スタート(QS=先発投手が6回以上投げ、3自責点以内に抑える)は9試合で達成。CSファイナルステージ第2戦では、先発のマウンドに上がり、3塁を踏ませない好投を演じ、阪神打線を7回無失点に抑え込んだ。
巨人の2枚看板の成績と年俸をみてみると、セ・リーグ投手部門で3冠を達成した山口俊投手(32)の年俸は2億3000万円で、6億5000万円(金額はいずれも推定)の菅野智之投手(30)は22試合に登板して11勝6敗、防御率3.89だった。勝ち星でみると、メルセデスは山口、菅野に次ぐ3番手(桜井俊貴と並ぶ8勝)につけ、防御率では菅野よりも低い数字を記録した。
来季はローテの主軸として期待
外国人投手に目を向けると、メルセデスのコストパフォーマンスの良さが際立っているのが分かる。年俸1億1000万円のテイラー・ヤングマン(29)は10試合に登板して3勝4敗。防御率は6.09と振るわず、今シーズン限りでの退団が濃厚となっている。新加入のライアン・クック(32)は守護神として期待されながらも、わずか13試合の登板にとどまり、1億4000万円(金額はいずれも推定)の年俸に見合った成績は残せなかった。
菅野、山口らに実績ではかなわないものの、着実にキャリアを積んでいるメルセデス。目標の2ケタ勝利まであと一歩のところまで来ている。昨年の契約更改後には、主力投手陣との年俸の開きにG党から「年俸が低すぎる」、「もっと年俸を上げてほしい」との声が殺到し、メルセデスに同情的だった。
来シーズンは、ポスティングシステムを利用してMLB挑戦を表明している山口がチームを去る可能性が高く、ローテーション投手としてメルセデスにかかる期待は今年以上のものがある。12球団の中でもトップクラスのコスパの良さを誇る年俸860万円左腕の契約更改はいかに...。多くのG党が注目している。