駐日ローマ法王庁大使館とバチカンは名称変更求めていない
すでに削除されているが、協議会のウェブサイトには、かつてこんな文言もあった。
「日本政府に登録した国名は、実際に政変が起きて国名が変わるなどしない限り、変更できないのだそうです。こうしていまでも『法王』と『教皇』が混用されているのです。皆様には、『教皇』を使っていただくよう、お願いする次第です」
ただ、この「ローマ法王庁」の名称問題が18年2月の衆院予算委員会で取り上げられ、河野太郎外相(当時)が
「直ちに駐日ローマ法王庁の大使並びに大使館及びバチカンに問合せをいたしましたが、いずれからも名称変更を求めていないという御返答でございました」
と答弁。15年に黒海沿岸にある国「グルジア」の呼び名を「ジョージア」に改めたことを引きあいに、希望があれば呼称を変更する可能性に言及していた。
「いずれの大使館からも名称変更の要請がありましたときには、外務省としてしっかり対応をする」
政府が「教皇」の使用を決めたことで、メディアも歩調を合わせつつある。例えば朝日新聞は11月20日から22日にかけて広島県版で「ローマ法王 広島に」と題した連載を掲載したが、最終回の22日のタイトルだけ「ローマ教皇 広島に」。最後に「法王の表記を『教皇』に改めました」という注意書きが入った。11月22日夕方の時点では、朝日以外にも毎日、共同、時事、NHKが「教皇」とする一方で、読売は「法王」、日経は「ローマ教皇(法王)」とし、産経はウェブ版で「『ローマ教皇』に表記を変更します」との「おことわり」を掲載している。