大学ラグビー「早慶戦」が、毎年11月23日に行われるワケ

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   11月23日――。イチョウの葉の間からあふれる木漏れ日、芝のにおい、乾いた風...。こと、ラグビーファンにとっては待ちに待った日かもしれない。「関東大学ラグビー対抗戦」伝統の一戦「早慶戦」が、毎年、同日に開催されるからだ。

  • 令和初となるラグビー早慶戦の天候は…?
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ルーツに「後発」が申し込んだことが始まり

   日付の話の前に、まず両校におけるラグビーの歴史について紐解いてみよう。日本ラグビーのルーツは、慶應義塾である。1899年、英国出身の先生が教鞭を執っていたこともあり、日本初のラグビーチームが産声を上げた。「ラグビーW杯2019日本大会」では日本中が熱狂に沸いたが、この歴史なくしては成しえなかった事実だったと言えるだろう。

   一方、早稲田にラグビー部が発足したのは、それから19年後の1918年のこと。京都三高、同志社に続く国内4番目のチームだった。J-CASTニュースでは、日本ラグビーの生き字引である元早大名誉教授の日比野弘先生(元日本代表、元早大監督、元日本代表監督、協会理事などを歴任)に話を聞いた。ラグビー史に精通する日比野先生は、

「それまで野球の早慶戦はあったけども、ある時、もめて試合禁止になったそうだ。でも、ラグビーにおいては(野球は)関係ないじゃない。当時の関係者や選手らが大学や慶應義塾に申し入れて、『ラグビー早慶戦』が生まれたというのが本当のところ」

   なるほど。ラグビー早慶戦が記録に残っているのは1922年からである。では、なぜ毎年11月23日に行われるようになったのか? 日比野先生は続けて、

「当時は、ルーツ校である慶応義塾は先輩で、創部間もない早稲田が試合を申し込むという形だった。それで両校の首脳陣が気象庁まで行って、天気の良さそうな日(晴れの特異日)を聞いてきたという。以降、11月23日に開催されることになった。まあ、それよりも野球の早慶戦ができない中、ラグビーができるようになった...ってことの方が、当時はニュースになったようだけどね」

30年間の統計で「晴れの確率」は83.3%

   そこで、気象庁にも聞いてみた。気象庁には「日別天気出現率」というデータが存在する。各地区の日別天気がどのような状況だったかを示したもので、統計期間は1981年~2010年の30年間という膨大な情報量を誇るものだ。

   これによると11月23日(東京)が晴れる確率は、30年間で83.3%という数字が出た。また曇りの日が6.7%で、合計するとちょうど90%。つまり10年やって1回、雨が降るかどうか...ということになり、かなりの高確率で晴れまたは曇りで試合が行われることが一目瞭然だった。

   データ上の数字だが、前日22日の晴れる確率は66.7%、翌24日は56.7%となっているところも不思議だ。また、11月23日以外の日で、もっと高確率で晴れている日もある。

   それでも気象庁の担当者は、

「晴れ=83.3%、曇り=6.7%という数字は、かなり突出した『晴れの特異日』だと言っていいと思います」

と話している。

   2019年の早慶戦を翌日に控えた11月22日16時現在、東京はあいにくの雨だ。両チームの選手に悔いが残らないよう、家に帰ったら「てるてる坊主」でも作ってみようかな。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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