「桜を見る会」前日に行われた安倍晋三後援会の夕食会について、本当に5000円という会費だったのかとの疑惑が解消されないままになっている。
倍額以上で受注したとの未確認情報も出ており、ホテルニューオータニの広報担当者に情報の真偽などを聞いた。
前川氏は「情報源から求められた」と投稿削除
疑惑が消えないのは、ニューオータニがサイト上などで、立食のパーティープランでも1万1000円からとうたっているからだ。
5000円はありえないとの声が多いが、安倍首相は、夕食会参加者約850人の大多数がニューオータニの宿泊者であることから、ホテルが配慮したと国会で答弁した。安倍事務所が差額を負担したとすると公選法違反(寄付行為)に当たる可能性があるが、あくまでも、参加者が費用を自己負担したとのスタンスだ。
そんな中で、元文科省事務次官の前川喜平氏が2019年11月20日、「知人がニューオータニ関係者から聞いた話」として、ツイッター上で5000円を巡る情報を流した。
それによると、夕食会の費用は、倍額以上で受注しており、証拠となる見積書が残されているという。さらに、官邸関係者が15日に「5000円で受注することもある」との話をメディアにするようにホテルに圧力をかけたともいう。前川氏は、あくまでも伝聞情報であり、真偽不明だとしている。
これらのツイートは、次々にリツイートされて、投稿の是非を含めて反響を呼んだ。ただ、前川氏は、情報源から求められたとして、その後ツイートを削除している。
前川氏のツイート内容は、どの程度の真実味がある話なのだろうか。
「客の要望があれば、人数などから受注額を提案」
夕食会は倍額以上の受注だったかなどについて、ニューオータニの広報担当者は21日、「個別のお客さまとの取引内容については、お答えしていません」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
一般的に5000円の受注があるかについては、こう説明した。
「立食のパーティープランは、対象人数が20~150人となっており、それ以上のときは、お客さまの要望を受けてこちらで受注額を提案することになります。人数や使う部屋などを勘案した額になるということです。ですから、5000円があるかどうかは、一概には申し上げられません」
前川氏のツイートについては、「お答えする立場にはないですので、コメントは控えさせて下さい」としている。
今回の問題では、安倍事務所が参加者から5000円を徴収してホテルの領収書を個別に渡したとしているが、ホテルが領収書を前渡しするのかとの疑問が出ている。
この点ついては、「基本的には、お支払いと同時に領収書をお渡ししています。例外があるかについては、回答を差し控えさせて下さい」と答えた。ホテルが主催者ではなく個々の客に領収書を渡すのかについては、「一概には申し上げられません」としている。
安倍首相は、夕食会の総額を示した明細書はないと国会で説明したが、「明細書が必ずあるかについては、一概には申し上げられません」という。今後、国会などに呼ばれた場合については、「お答えする立場にはないです」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)