ワールド、投資家の信頼取り戻した「積み重ね」 さらなる成長に必要なのは?

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   アパレル大手、ワールドの株価が2019年11月11日、2018年9月の再上場時の公開価格(2900円)を超えた。

   6日に発表した2020年3月期連結決算(国際会計基準)の業績予想の上方修正や配当増額が好感され、証券会社の目標株価の引き上げもあって5連騰を演じた。苦境に立たされがちな業界にあっての業績改善が素直に評価されている。

  • ワールド本社ビル(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)
    ワールド本社ビル(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)
  • ワールド本社ビル(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

在庫管理や経費コントロールで改善

   まずは6日の発表内容を確認しておこう。2020年3月期連結決算について純利益は従来予想から23億円増額し、前期比33.1%増の122億円を見込む。コア営業利益は5億円増額し、10.6%増の180億円、売上高にあたる売上収益は9億円増やして0.4%増の2509億円と予想した。増収増益のレベルが上がる上方修正だ。

   ブランド事業において、ITを活用した在庫管理によって値下げを抑制することで粗利が改善するうえ、きめ細かな経費コントールでコスト削減が進むことが奏功。純利益においては婦人靴製造の「神戸レザークロス」を6月に買収したことで会計上の一時的な利益が増えることも貢献する。

   ちなみにコア営業利益とは日本の会計基準の営業利益に近く、一過性の現象を取り入れず本業の稼ぐ力を示すもので、同じ国際会計基準でも会社によって算出方法が違う。ワールドは売上収益から売上原価と「販売費及び一般管理費」を除いたものを採用している。

   業績改善によって中間配当を従来予想より3円増額し28円に決定した。期末配当予想は44円で据え置く。これによって年間配当金は72円見込みと、前期(50円)を22円上回ることになる。

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