「桜を見る会」を巡る問題で、公選法違反だなどと主張して市民団体が安倍晋三首相に対する刑事告発状を東京地検に提出したと報じられ、今後は、地検がどう対処するかが焦点になっている。
安倍首相側は、参加者が費用を自己負担したなどと説明している。地検が起訴する可能性などについて、専門家に話を聞いた。
「告発を理由に国会答弁で逃げられる」との懸念も
ジャーナリストや弁護士ら約50人でつくる「税金私物化を許さない市民の会」は2019年11月20日、安倍首相が公職選挙法と政治資金規正法に違反しているとして告発状を提出したことを会見で明かした。
市民の会は、18日に会見するなどして、告発の内容を説明している。それによると、安倍首相が後援会などから約850人を「桜を見る会」に招待し、食事や酒を無料提供したことは、公選法上の買収に当たるとした。また、前日に都内のホテルで行われた夕食会については、会費5000円以外の差額を安倍事務所が負担したとすれば、公選法上の寄付に当たると指摘している。
事務所が参加者から集金する前にホテルに支払いをしていれば、政治資金収支報告書に載せる必要があり、載せていないのは政治資金規正法違反だとしている。
告発状の提出については、ニュースサイトのコメント欄などで様々な意見が書き込まれている。
市民の会メンバーのSNSなどを見ると、憲法第9条を守る活動をしている人も多い。安倍首相を批判する人たちの間でも温度差があるようで、「告訴されてるから議会で答えられないと言って逃げられる」「もう少し推移を見守ってからでも遅くは無い」との疑問も上がった。
これに対し、市民の会共同代表の田中正道さんは19日、過激な一部書き込みについて、こうした個人攻撃的な批判があるから市民運動がなかなか広がらないとフェイスブックで苦言を呈した。